丸ノ内線「赤い電車」の斬新なデザイン、3つのポイント
「かわいいー」
2018年10月11日、東京メトロ中野車両基地で開催された“丸ノ内線第3世代車両2000系”の報道公開終了後、沿道で引率の保育士とともに散歩をしていた園児たちが足を止め、2000系を食い入るように見つめていた。
鮮烈かつ強烈、園児たちの心をわしづかみにした2000系が2019年2月23日にデビューした。その魅力を御紹介しよう。なお、画像は報道公開時に撮影したもの、東京メトロより御提供いただいたものを中心させていただく。
「赤くて丸い」新型丸ノ内線の斬新なエクステリア
2000系は、丸ノ内線の「丸」というイメージを車両の内外に展開しており、かなり斬新なつくりだ。エクステリアでインパクトを放つところを、3つ挙げよう。
1つ目は前面デザイン。先頭形状は丸みを帯びており、トマトジュースやリンゴジュースのデザインに使えそうなほど、愛くるしい。丸ノ内線第2世代車両の02系は“剛”に対し、2000系は“柔”といえるだろう。
2つ目は丸ノ内線第1世代車両を彷彿させるカラーリング。グローイング・スカーレットをベースに、白帯の中にサインウェーブを採り入れた。なお、東京メトロには塗装工場がないので、フルラッピングが施されている。このため、車体の一部にアルミの“地肌”が見える。
地下鉄では初めて採用「車端部の丸窓」
3つ目は車端部の丸窓。このタイプは上田交通モハ5250形、JR西日本の臨時快速〈瀬戸内マリンビュー〉車両などで採用されており、地下鉄では無論初めて。デザイン上のアクセントといえよう。
デジタル方向幕はフルカラーLEDで、「駅ナンバリング+行先」が表示される。特筆すべきは、丸ノ内線全駅分が表示できること。東京メトロによると「通常、乗務員が扱う設定では、異常時などにおける折り返し運転時、最終列車の行先などの対象駅のみが設定できる仕様だ」という。
乗降用ドア間の側窓は02系の3枚に対し、2000系は2枚に減ったものの、1枚あたりの寸法は拡大された。「サービス機器などの配線スペースを確保するため、開口幅は02系より若干小さい」(東京メトロ)そうだ。蛇足ながら、乗降用ドアの幅は02系と同じ1400ミリである(参考までに、日比谷線用の13000系などは1300ミリ)。