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就職塾を頼った“無い内定”女子大生の悲劇。会費50万円がムダに…

学び

就職塾を退会したら見えてきたもの…

「ようやく自分がやりたいことが自分の言葉で見つかりました。ネームバリューやまわりの意見ではなく、はじめて自分で働きたいと思ったんです」と葉子さんは語ります。

 そのタイミングで彼女は就職塾を退会。内定がひとつも出ていないため、塾の仲間や講師は「逃げている」「まだ努力はできる」と必死で止めたそうです。

「それでも、自分の行きたい世界とこの塾はつながっていないと気付いたんです。退塾後は業界ごとに書き回していたエントリーシートの雛形を破棄して、初めて自分の言葉でゼロから志望動機を書きました」

 そして、面接でも自分で思っていることを、ありのまま話したそうです。そして、葉子さんは内定に至り、現在は教育に関わる仕事をしています。仕事はとても充実しているそうです。

就職塾で遭遇したもうひとつの闇

ノートパソコンの前で落ち込む男性

 もうひとつ、葉子さんには後悔していることがあります。

「就職塾で知り合った、某大手企業の男性社員と仲良くなって個別に就職相談にのってもらっていたんです」

 葉子さんは、週に1度ほどのペースで、就職の相談にのってもらっていました。しかし、最初は19時に駅近のファミレスで会っていたのが、だんだん時間と場所に変化がでてきたそうです。

「何度か会うようになってから、23時に渋谷の道玄坂近くの居酒屋を待ち合わせ場所にされました。信用していたので、変なことはおきないだろうと思って待ち合わせ場所に向かったのですが、道玄坂のホテル街を一人で歩いているときに、両親の顔を思い出したんです」

「あのままホテルに行っていたら一生後悔した」

 結局、「なんのための塾なんだろう」「なんのために東京に出てきて、両親にお金を出してもらっているんだろう」と思い出した葉子さんは、一人で自宅に帰ったと言います。

「OBとホテルに行った子の話は聞いたことがあります。自分も含めて、弱気になって判断力がにぶっていたんだと思います。私自身は、あのままホテルについて行っていたら一生後悔していたと思います」

 当然ですが、悪いのは就職塾ではありません。ただ人生の帰路に立ち、いろんな大人のいろんな思惑が、内定を欲しい学生の心の隙間に侵入し占領してしまうこともあるのが事実です。みなさんも注意してください。

特集・社会人が本気で後悔してる就活の話

<TEXT/瀧戸詠未 イラスト/zzz(ズズズ)@zzz_illust

フリーライター。教育、ビジネスを中心に記事を執筆中。お酒と食べ歩きとひとり旅が趣味

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