激安時給に学歴イビリ…大手電機メーカーのインターン、驚きの内情
就職活動は、学生がこれまでの人生で経験する最大級の障壁であると言っても過言ではありません。
株式会社ディスコが行った「学生のインターンシップ」に関する調査によれば、2020年3月卒業予定の大学3年生(理系は大学院修士課程1年生含む)のインターンシップ参加者は全体の92.4%にものぼります。
そんな就職活動の一環で多くの学生が取り組むインターンシップの中には、学生を理不尽にこき使う、“ブラックインターン”が存在するようです。
電機メーカーのインターンで地獄の体験
今回、現在社会人の北野亮さん(当時21歳・仮名)から、彼が過去に体験した、学生を低給で正社員のようにこき使う大手電機メーカーのブラックインターンの話を聞くことができました。
「私が登録したインターンシップは、学生に商品の訪問販売を委託する業務で、面接も形式だけのもの。特に詳しい内容を説明されることなく契約書を書かされました。その時点でおかしいぞとは感じましたね」
流されるままに契約を完了されてしまった北野さん。その後の業務内容は、あまりにヒドいものでした。
「まず時給が、850円ととても低い。法律で決まっている東京都の最低賃金未満(※)で、ほとんどボランティアレベルです。しかも交通費は5時間以上勤務しないともらえません。今となっては、他の企業だったらまずありえないとわかるのですが、そこは世間からの認知度も高い超大手企業ですし、私も初めてのインターンシップだったので『そういうものなのかな』と受け入れてしまいました」
※会社の指揮命令下で実務をさせると、インターンでも「労働者」とみなされて最低賃金法や労働基準法が適用される
大学にいても仕事のことで頭がいっぱい
低時給でも、一流企業での経験と人脈を得ることを選択した北野さん。しかし、酷いのは待遇だけではなかったのだそうです。
「実際に勤務してみると、その内容は想像以上にヒドいものでした。まず研修期間なのですが、1か月以上にもかかわらず給与は発生せず、研修が終わっても土日は毎週ミーティング。もちろん時給はもらえません。
しかも社員からは『売り上げが低い』だとか、『自覚と誇りを持て』などとまるで正社員かのような扱いをされていました。大学にいても、学業やサークルよりも仕事のことで頭がいっぱいになり、授業中にも内職をしなければいけない始末でした。毎日本当に苦しかったです」
このように、劣悪な待遇で正社員なみの仕事を押し付けられた北野さんですが、一番ツラかったことを聞きました。