困難なキャバ嬢のお部屋探し。入居審査に6回落ちた女の子も
水商売が理由で「不動産業者に嘘をつかれることも」
――そうなると時間もかなりかかりそうです。実際に契約を取ってくるコツはありますか?
青木:だからいろいろ手を尽くして探しても、結局審査で通らないとなると……。私も経験していたからよくわかりますが、賃貸の営業さんは契約の数をこなしてナンボ。手をかけたのに審査で跳ねられたら手間のぶんだけマイナスですから。
――そういう事情も確かにわかりますね。最初から水商売であるとわかると断られてしまう。
青木:あとは嘘をつかれることもあるんです。あまりいい物件じゃないのに、家賃や初期費用を釣り上げられるとか。それで困ったコがウチに来て、「この物件、初期費用これだけかかると言われたんです」と言うから見てみるとどう考えてもありえない数字だったりする。まあ、普通の会社員が物件を借りるのとはわけが違うので、多少はしょうがないのかなとも思いますが……。
――とはいえ世間の水商売に対するイメージが悪いからこういうことになるわけですしね。一般的な不動産屋には水商売に貸せる、貸せないの情報はなかなか回らないんでしょうか。
青木:やっぱり少ないですよね。私が以前働いていた不動産屋でも、水商売関連の情報はほとんどなかった。逆に外国人向けの物件紹介をメインにやっていたこともあって、そっちの情報は相当なものがあったんですけど。普通の不動産屋では水商売のコはあまりターゲットにしていないので、積極的に情報を集めようとはしていない。そういうことじゃないでしょうか。
――だからこそ、クレスタさんの情報力やコネクションが光るというわけですね。
青木:あとはウチが客付けしたコなら大丈夫という信頼も大切ですね。せっかく入れてくれても、トラブルが起きたり家賃不払いになったりしたら元も子もない。せっかく築いた信頼関係もそれでパーになってしまうこともありますから。だから、紹介するコともしっかり話をして、いろんなアドバイスをしたり、時には親御さんとお話させていただくこともあって。そうして、お互いにとっていい形でお部屋を見つけることができれば、と思っています。
ナイトワーカーが住みたがる家の傾向は?
――実際にクレスタさんにお部屋を探しに来る方は、どんな物件を求めているのでしょうか。
青木:だいたい家賃の価格帯としては1K12万円~が一般的です。安くても10万円台から探し始める。それが水商売のコの部屋探しの特徴ですね。そこからちょっと売れてきたりすると、1LDKがいいとかなってくる。なおかつ、ペット可の物件がいいとか。
――確かに水商売のコはペットを飼っている人が多いイメージです。
青木:でもペット可の物件ってなるだけで半分くらいに減ってしまうんですよ。あと場所も問題ですよね。これ、関東地方独特らしいんですけど、みんな歩いて帰りたいとかタクシーでワンメーター以内とかで探す傾向があります。でも、働いている場所って歌舞伎町とか六本木じゃないですか。となると、そこから歩いて帰れる範囲はどうしても賃料が高くなる。物件数も少ないし審査も難しくなってしまいます。
――歌舞伎町や六本木の徒歩圏内とは、相当限られますよね。人気エリアばかりです。
青木:だからなかなか空きがでなかったりして。地方の場合は、水商売でもクルマ通勤が多いんですよ。お酒を飲んだら帰りは代行を使ったりする。だから店の近くに部屋を借りようとする人はほとんどいないらしいです。でも、東京ではクルマだと維持費が高いし、それで歩いて帰れるところに住みたがる。徒歩20分圏内といいますが、歌舞伎町から徒歩20分となるとどうしても……ね(笑)。