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【鮨屋革命】究極の普段使い!旨い鮨の楽しみ方が変わる六本木「鮨6」実食ルポ

グルメ

旨い鮨屋に行きたいと思ったらどうしてますか。老舗の暖簾をくぐるにはそれなりの勇気がいるし、人気店ともなれば予約がままならない。いざ出かけてみたら店の敷居が高すぎて落ち着かずに鮨の味さえわからない。そんなことをあれこれ思ううちに気軽さが売りの回転寿司に行ってみても、それはそれでおいしいけれどこだわりの鮨とは程遠く、まぁこんなものかと、なんとなく納得するということになるかもしれない。

鮨6

そんな日本の鮨事情に革命を起こそうというのが東京のグルメエリアの一つ、六本木に今年5月にオープンした「鮨6(すしろく)」だ。六本木駅を出て外苑東通りを飯倉方向に歩いて3分ほど。閻魔坂の入り口に立つビルの4階に構えた店のボードには「SUSHIROKU」と店のロゴが。これは今までの店とはちょっと違いそうだと、いい予感がしてくる。

鮨6看板

「気兼ねのなさ、旨い鮨、気軽な価格」を全て実現する鮨屋

自動化されたサービスでリラックスしたコミュニケーションを

鮨6

エレベーターを降りると、スタッフが迎えてくれる。黒を基調としたシンプルな空間。その中央に配された大きく高さのあるテーブルの周りにはスツールが並ぶ。

席

こちらは少人数での会食に快適そうなテーブル席。他にも奥まった位置にテーブルがあり、家族連れの客に使われることもあるそうだ。

まずはスタッフが一通りこの店のシステムを教えてくれる。注文はアプリで、そしてロボットが料理と飲み物を運んでくる。日本酒の飲み放題はセルフで。そしてここからは、スマホとロボットが「接客」してくれるのだ。握りを含めたすべての料理は奥のキッチンで調理される。この空間には、いかにも強面な大将もいないから、あるのは客同士のコミュニケーションだけ。気兼ねが要らないのだ。

ロボットによる自動化が鮨屋のコスト構造を変える

アプリ

席についてスマートフォンでQRコードを読みこめばすぐに注文ができる。これは回転寿司と同様の気軽さだ。そして料理を運んでくるのは配膳ロボット。こちらはファミリーレストラン等で似たものを見たことがあるという人も多いだろう。

ロボット

スマホとロボットを使うことによって、人間のスタッフが注文を受け、出来上がった料理を配膳するという一連のサービスのコストが圧倒的に圧縮されている。配膳担当の人件費だけでなく、従業員を教育し、毎日のシフトを組みケアするといったマネージメント側の業務量も最小限になるということだ。となれば、その節減されたコストの行方が気になる。

ネタとシャリの質にこだわり「旨い鮨」をリーズナブルに提供できる!

ガイド

自動化により従業員の接客が最小限となるこの店のシステムについては、テーブルにおかれた「鮨6の楽しみ方」というガイドで説明されている。一押しの「コース」の内容も説明されている。コースは5800円。前菜3品、「本日の逸品」、鮨8貫、そして「〆の沖縄そば」という流れだ。この店の価格は、一般的な価格設定の半分ほどになっているのだという。

さて、その旨さへのこだわりは次の3つだ。
 

  • 津本式の血抜きの技法で味や産地からの味や香りを保って提供するネタ
  • 五ツ星お米マイスターでもある小池精米店3代目・小池理雄氏が厳選する米を炊いたシャリ
  • ジョエル・ロブション出身の安藤英幸シェフによるフレンチを取り入れた和のアラカルト料理

日本酒サーバー

また、和食と言えば日本酒。8銘柄、時間無制限飲み放題も用意されている。こちらは酒匠、酒学講師、国際唎酒師である藤井耕太氏とのコラボ。全国の蔵元からこだわりの日本酒がセレクトされていて、価格は3000円だ。こちらはセルフサービスで。

ロボット

日本酒の飲み放題とコースをスマホからオーダーすると、早速ロボットが日本酒の徳利、猪口、それに水を運んできてくれた。

日本酒サーバー

サーバーに設置された日本酒を日本酒を徳利に注ぐ。「これは自動化じゃないのか」というのはつまらぬこと。サーバーに並ぶ酒瓶を見て、そのラベルを見ながら好きな酒を選ぶ。それがまた楽しみの一つになっている。

コースの料理を実食

前菜から本日の逸品で酒を始める

ロボット

まず「前菜3種」が運ばれてきた。

左奥から「タコの柔らか煮 トマトソース」、季節の一品「ウニの磯部揚げ」、「蒸し鮑アオサのソース」。いずれも素材の旨さが引き出されていて、フレンチの手法によるソース使いがそれを引き立てている。それにしてものっけから鮑とウニとは豪華だ。

日本酒

自ら選んだ日本酒と共に、同席の仲間と話も弾む。大将とのコミュニケーションがないということは、仲間とのコミュニケーションが自分たちのペースで流れていくということ。それがまた心地いい。

西京焼き

そして「本日の逸品」は「銀ダラ西京焼き」。色よく焼けていて漬かり具合もいい。ハジカミのあっさりとした酸っぱさと、魚の脂のコントラストが楽しい。

厳選おまかせ握り8種に唸る!

鮨は四貫ずつ、二度に分けて届けられる。

寿司

この日の「前四貫」は手前から、濃厚なウニがさっぱりとしたイカに合う「イカウニ」。「生エビの漬け」はエビに切れ込みを入れていないのでプリッとした食感が嬉しい。「〆サバ」は身が酢に負けることなく上品な仕上がり。「太刀魚の炙り」は表面は香ばしく身が厚くふっくらとしていて大葉の香りがいい。

寿司

「後四貫」は、左からサシの入りが程よい「本マグロ大トロ」。マグロは豊洲の仲卸の見立てによるもの。身の締まり具合がその味を引き立てる「熟成シマアジ」。「本マグロ赤身」はこれぞマグロといった納得の旨さでシャリとの相性が特にいい。「熟成穴子」の身はふわりと、試行を重ねたたれは前に出すぎずバランスがいい。鮨を肴にまた日本酒が進む。

熟成魚の出汁を使った「〆の沖縄そば」

沖縄そば

そして〆は沖縄そば。沖縄そばと言えば豚骨と鰹出汁だが、熟成魚の粗を使った出汁がメインで豚骨はコクを感じさせる程度に使っているようで、様々な味を楽しんだ後にほっとさせてくれる。

大将

「築地青空三代目」で修業し、新宿の人気店「KABUKI寿司」を立ち上げた大将の平良俊介さんは沖縄出身。〆の沖縄そばの麺は沖縄からこだわり生めんを取り寄せているそうだ。平良さんは言う。

「カウンターで握る店だと、少し大将が怖く感じたり、緊張するということもあると思います。ここでは気を遣わずに会話を楽しんでもらえると思います。握る側にとっても、握りに集中できて、握るスピードもクォリティにとっても確実に良いと思う」

応援購入サービスMakuakeで8,460,000円もの資金を集めた「鮨6」。まだまだ開店したばかりで、これからも調整を続けながら高みを目指していくということ。今後も又楽しみだ。

<取材・文・撮影/石黒アツシ>

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鮨6(スシロク)
住所:東京都港区六本木3丁目14-14 Vort六本木 Kaleido 4F
営業:18:00~翌1:00 不定休
TEL:03-6459-2616
https://twitter.com/sushiroku6

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フォトグラファー/ライター/フードコーディネーター/コンテンツコンサルタント。写真家・食事家・旅行家として、「おいしいものをおいしく伝えたい」をテーマに、世界のローカルフードを食べ歩き、写真におさめて、日本で再現してみなさんと共有して、できれば一緒に食べたいというのが、私のライフワークです。

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