月商9000万円以上も…令和に復活した「カリスマ店員」が拓く“オンライン接客”の未来
1990年代後半から2000年代初頭にかけて訪れた、ギャルファッションブーム。ミニスカやショーパンなどの露出度高めな服装、厚底ブーツ、ガングロ。また制服にルーズソックスを合わせたコーディネートを、当時のアイコンとしてイメージする人も多いはずだ。
そんなギャルファッションブームを巻き起こしたのは、当時のギャルの聖地「渋谷109」を中心に働いていたショップ店員たちだった。そこを中心に、女性販売員みずからが広告塔の役割を担い、独自のファッションコーデやメイクを発信。世間からは「カリスマ店員」と呼ばれ、その日の売り上げを大きく左右するほどの影響力を持った。
再びショップ店員にスポットライトが
しかし現在、渋谷を歩いても当時のようなギャルを目にすることはない。肌を焼く人は減り、奇抜なファッションや独自のカルチャーはなりを潜め、手頃で無個性なファストファッションに身を包む人が増えた。
同時にショップ店員のブームも去っていった。ショップ店員という仕事が“なりたい職業ランキング”に名前があがることはなく、またインフルエンサーの台頭で、流行の発信源でもなくなっていった。
あれから20年近く経った今、再びショップ店員にスポットライトが当たり始めている。きっかけのひとつとなっているサービス「STAFF START」を提供するバニッシュ・スタンダードMarketing Communicationユニットの木崎大佑さんに、同サービスの仕組みや今後の展開について聞いた。
やる気を引き出すインセンティブ制度
厚生労働省の調査によると、アパレルショップ店員の平均年収は321万円。全職種平均の369万円と比較し、15%も低い水準にある上、新卒3年以内の離職率は全職種の中でワースト3~4位だという。給料も安く、長く続けられない……このような閉塞感のなかでSTAFF STARTの可能性を、木崎さんはこう語る。
「STAFF STARTが特徴的なのは、ショップ店員のやる気を引き出すため、商品を売った分だけ成果を可視化し評価報酬(インセンティブ)制度に役立てていただく機能を提供しております。その結果、STAFF START導入企業のうち7割が評価報酬制度を取り入れています。
オンライン接客というやり方が、コロナ禍以降に注目される一方、新しい文化だからこそ色々な制度が追いついていない部分もありました。その1つが、販売員の評価や報酬制度。オンライン接客の場合、各スタッフがどのような投稿をするか、どれだけ時間を費やして投稿するか、どれぐらいファンがいるかで、成果もだいぶ変わってきます。それなら給与体系も、頑張った人がそれだけ報われるよう、インセンティブを設計しようと考えました」