うわっ、めんどくさっ…仕事で嫌な相手とうまく付き合うコツ<常見陽平>
同僚よりも一歩リードしたいけど、会社の奴隷にはなりたくない! そんな若手サラリーマンに、自称「若き老害」にして働き方評論家・常見陽平氏が、会社で“ほどほど”にうまくやっていく方法を伝授。第3回は、面倒な取り引き先との向き合い方を学ぶ。
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今回のテーマは「取引先」だ。編集担当の赤地さんは以前、営業をしていたそうで、苦手な取り引き先がいくつかあったという。
失敗を上司にチクられたこともあるそうだ。たしかに、20代の読者にとって取り引き先との関係で悩むことだろう。自分が営業する側もそうだが、営業される側だったとしても悩みはあることだろう。
ここで、私が会社員時代に遭遇した、思い出に残る取り引き先を紹介しよう。主に営業時代の思い出を中心に。
① 俺氏を相手に1時間雑談する客
社会人2年目のときに、大手航空会社を担当していたことがある。もっとも、取り引きは少額だった。ここの担当者は、絵に描いたような、窓際の人だった。90年代後半で日本経済は厳しい環境にあったが、何もしない彼が会社にしがみついていられる程度に、この会社は牧歌的だった。
「ちょっと来てくれ」という連絡がよくあり、本社に向かうと、1時間、ずっと映画やスポーツの話を聞かされる。「WOWOWを契約すると人生がいかに楽しくなるか」を延々と聞かされた。
若造は話を遮るわけにはいかず、ずっと話を聴き続けた。ビジネスの話は5分程度。しかも、電話ですむ内容だった。
こちらも付き合い方を考えるべきだったし、ちゃんと商談をするべきだったが。とはいえ、顧客訪問している風になるので、私も共犯者だった。つまらない会話に気持ちよく頷くというスキルが身についた。
② ミスのたびに経緯書を書かせる客
やはり社会人2年目のときに担当した顧客。こちらは大口顧客だった。
前任が数々の特別対応を行っており、その引き継ぎミスもあり、何度も謝罪に。ミスのたびに経緯書を書かされた。まあ、気持ちはわからなくはないのだが。
その後、先輩に引き継いだのだが、そこでもミス発生。私が「二度とこのような過ちはおこさない」という、まるで犯罪者のような経緯書を出していたので、その先輩はひどく叱られた。
とはいえ、世の中には細かい人がいるという勉強にはなった。これは性格が悪いだけではなく、キャラなのだと理解した。