モスバーガー、競合に負けない「2等立地戦略の強み」を執行役員に聞いた
コロナをきっかけに健康に対する意識が高まっている。日本政策金融公庫が2021年1月に実施した「消費者動向調査」によると、食に関する3大志向「健康志向」「簡便化志向」「経済性志向」のうち、健康志向が前回比(昨年7月)から1.7ポイントアップの41.4%、簡便化志向に関しては「経済性志向」を初めて上回り、3.7ポイントアップの37.3%となった。多少お金を払っても、健康なものを、気軽に食べたいようだ。
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ファストフードでありながら、野菜たっぷりで栄養価が高いのが、今年で創業50周年を迎えるモスバーガーだ。これまでの同社の歩みについて、株式会社モスフードサービス執行役員会長・社長室長の金田泰明氏と社会共創(SDGs)グループの天羽克仁氏に、取材を試みた。
創業のきっかけはアメリカでの体験
3月12日、モスバーガーが創業50周年を迎えた。生まれたきっかけは「創業者の直感だった」と金田氏は語る。
「創業者の櫻田慧(慧は旧字体)が日興証券で働いていたとき、ロサンゼルスに海外勤務になりました。そこで『トミーズ』というハンバーガーショップと出会い、ハンバーガーの美味しさを知り、日本でも同じようなものを作りたいと思ったようです。日本に戻り日興証券を辞めて、1972年に成増にお店を開いたんです」
モスバーガーは創業から13回味を変えた
「マクドナルドさんが1971年に日本にオープンさせたことがきっかけで、『やはり自分が思っていたことと同じだ』という気持ちがあったみたいですね。マクドナルドさんは海外からきましたが、日本発のハンバーガーを作ろうということになったんです」
アメリカで食べたハンバーガーは今のモスバーガーの原型だそうで「アメリカのハンバーガーはスパイシーでメキシカンなチリソース味なので、モスバーガーは日本人の味覚に合わせて作りました」とのこと。昔から味を変えていないのか聞いたところ、「13回ほど変えている」そうだ。
「時代ごとに合わせてパティやバンズは何度も味を変えています。そのときに求められる味に変更しています。なかでも本当のマイナーチェンジもありますが、比べて食べないとわからないくらいです」