子供のコロナ感染で「月収が2500円に」アパレル勤務女性を襲った困難
新型コロナ禍では、子どもの感染や濃厚接触者認定、保育園の休園や小学校の休校などにより、子育ての負担がさまざまに増加しています。
そんななか困難を強いられているのは、働きながら子育てをする労働者たちです。首都圏青年ユニオン事務局(@union_at_seinen)で働く筆者のもとに寄せられた、子育てしながら働く労働者の困難とその背景を考えてみたいと思います。
「小学校休業等対応助成金」とは?
子どもが急に保育園や小学校に行けなくなった時、家にいる子どもの世話をしなくてはいけなくなります。しかしそのために仕事を休んでしまうと、給与が減少してしまいます。収入を取るか、子どもの世話を取るかという二者択一を迫られているのです。
そんな労働者のために2020年の一斉休校の際に創設されたのが「小学校休業等対応助成金」です(対象となる休暇取得の期間は令和4年6月末まで)。これはコロナ感染・濃厚接触者認定などや小学校・保育園など子どもが通っていた施設の休業によって、家にいざるをえない子どもを世話するために仕事を休んだ労働者が、それによって給与の減少の被害にあわないようにするための制度です。
企業がその休みの期間について、労働者に給与の補償をした場合、企業に対してその全額が国から助成されます。この助成金によって、企業には一切金銭的負担がかからずに、給与の補償ができるのです。しかし、企業の損失なしに労働者の給与を補償できる小学校休業等対応助成金であるにもかかわらず、それを使ってくれずに、労働者が給与の補償を受け取れない事例が多発しています。
子どものコロナ感染で月収2500円に…
アパレル企業である株式会社CANで働くAさんは、2021年9月に3人の子どもと自身のコロナ感染によって1か月間仕事を休まざるを得ない状況に追い込まれました。
自身が感染した1週間については、会社から平均賃金6割の休業手当が支払われましたが、そのほかの期間は無給であり、通常月14万円程度稼いでいる短時間正社員のAさんの収入は、手取りで2500円程度にまで激減しました。これは通常通りかかる社会保険料を、1週間分の休業手当から引いた後に残る金額です。