アマゾンに負けない「モノタロウ」、顧客7倍・純利益最高の要因を探る
最近は企業の業績悪化を伝えるニュースばかりで辟易するばかりですが、そんななかでも成長を続ける企業があります。工場・オフィス用備品の通信販売「モノタロウ」を手がける株式会社MonotaROです。
今回の記事では、同社が、アマゾンやアスクルの競合がいるなか、コロナ禍でも急成長を遂げた理由に迫ってみたいと思います。
工場・オフィス用品ならなんでも揃う
ここ数年テレビCMを打ち出して、その認知度も高まってきたモノタロウ。実際に勤務先で利用している人も多いでしょう。
モノタロウは工具やオフィス用品に特化したネット通販サイトで「株式会社MonotaRO」が運営しています。実際にサイトを見てみると、安全靴や作業服といった作業員が身に着ける備品のほか、ドリルなどの切削工具や圧力計などの測定器が販売されています。
自動車のワイパー部品といった特定分野で使われる備品もそろっているようです。もちろん文房具やガムテープなど通常のオフィス用品も販売されています。61万点あまりの商品が即日出荷に対応しているため必要な備品がすぐに届けられます。
登録顧客数は10年前の7倍に
また、月末の請求書払いが可能なためAmazonのように事前に現金やクレジットカードを用意する必要がありません。法人にとって便利なサービスといえます。ネット通販サイトは生え抜きのベンチャーが始めるような印象がありますが、MonotaROの設立には意外にも大企業が携わっており、住友商事と米国企業グレンジャーの出資で設立されました。
2000年の設立以降、テスト運営を進めながら2001年に本格的に営業を始めました。2006年には東証マザーズに上場、各地に物流施設を増設しながら2009年には東証1部に上場します。
2010年代も拡大を続け、2015年には医療用品にも参入、海外進出を進めながら現在に至ります。当初はFAXでの注文が多数を占めていましたが、現在ではネット注文がほとんどです。ちなみに2012年まで20万以下だった登録顧客数は2016年には40万、2021年には140万と近年急激に伸びています。