安月給でも資産1500万円。28歳医療事務職がコロナ下の転職で見つけたもの
近年、働き方改革などの影響により、残業を含めた労働時間は減少傾向にあります。しかし、なかにはそんな流れとは逆行するように残業が増えている職場も。
2020年までソフトウェアメーカーに勤めていた石井敬人さん(仮名・28歳)は、当時ソリューション事業部に在籍していたシステムエンジニア(SE)。
多い残業がコロナ禍でさらに増加
法人向けプラットフォームの構築を担当していた石井さん、かねてから残業時間が月50時間前後と多かったとか。しかも、コロナ禍になってからはその残業時間がさらに30時間程度増えたといいます。
「テレワーク化が一気に進み、それに伴い社内のITインフラを刷新する企業が増えたんです。会社にとっては受注が増えてウハウハなんでしょうけど、僕らSEの数が増員されたわけじゃありません。
今までと同じ数のスタッフで急増した注文をこなすには作業時間を増やすしかないじゃないですか。当時の上司だったチーフが『人手が足りない!』と何度も会社に訴えても対応してくれなかったんです」
激務で同僚がうつ病に…そのまま退職
それでも部署内のチームワークは良かったため、互いに仕事をフォローし合っていましたが、激務の中で同僚の1人がうつ病を発症。契約社員だったこともあり、そのまま辞めてしまったそうです。
「テレワーク用のシステムを作っていたのに、僕らは在宅での仕事が認められていませんでした。企業機密に関わる部分なので理解はできますが、こちらは毎日夜9時や10時まで残業し、それだけでは間に合わず早朝出勤して作業していたこともありました。
僕自身、契約社員3年目で正社員になることを目標としていましたが、こんな激務を強いる会社で働き続けていいのかという疑問が日増しに強くなっていったんです。これで職場環境が改善されれば残ったのかもしれませんが、何も変わらなかったので辞表を提出しました」