転職報告で上司の“ウザい引き止め”を突破する方法
ヘッドハンターの高本尊通です。
いわゆる「嫁ブロック」と同様、転職をする旨を上司に申し出るのは、考えるだけでも気が重いものです。しかし、転職をする以上は、必ず避けて通れない問題でもあります。
今回は、上司による転職ブロックをどのように突破すればいいのかについてお伝えします。
上司の「本音」と「建前」とは
退職希望について部下が上司に申し出た場合、私が知る限り上司の反応は決まっています。それは、「君の気持ちはわかるが、いったん預からせてくれ」というものです。
部下としては自分の言葉に耳を傾けてくれたように聞こえるかもしれませんが、恐らくその上司の頭にあるのは、「ほとぼりが冷めるまで待とう」ということだと思います。
ですから、1日が過ぎ、2日が過ぎ、数週間経っても上司から何の反応もない。挙げ句の果てには、人事異動を迎えうやむやになってしまうということもありがちです。気がつくと時間だけが流れ、結局転職を思いとどまることにもなりかねません。
なぜ、こうしたことが起きるのでしょうか? それは、上司には言葉と裏腹の「辞めてもらいたくない」という本音があるからです。部下としては「預からせてくれ」と言われた以上、後任者の手当てなど、何かしら考えてくれるものだと期待すると思いますが、時間ばかりが過ぎることになってしまうのです。
上司が「転職ブロック」する理由
上司がこうした行動を取ってしまうのは、部下が退職すると業務が滞るなどの眼の前の問題によるところもありますが、会社によっては、部下の退職が上司としての評価に繋がるケースもあります。
大手企業であっても、部下の退職は、「マネジメント能力の不足」と見られてしまい、その後の昇進に影響する可能性があります。
いずれにしても、上司にとっては、部下の退職は迷惑以外の何物でもないのです。そのため、「自分が上司のうちはやめないでくれ」という本音があるのは仕方ないのかもしれません。
ただ、こうした上司の本音は部下にとっては理屈に合わないことは明らかですから「思いとどまってみてはどうか」「後任者が決まるまでは預からせてくれ」といった言葉が出ても、そのまま受け止めるのではなく、“自分が”どうしたいのかをしっかり考えて退職に向けて動く必要があると思います。
もちろん、ときには部下のことを本当に思いやり、心配の念などから思いとどまらせようとする上司もいるかもしれませんが、多くの場合はそうではないと認識しておいたほうがよさそうです。