面接官がもらい泣き…壮絶パワハラのおかげで転職成功した20代女子
長時間労働や不透明な雇用形態など、社会問題となっている「ブラック企業」。
できれば関わりたくないものですが、そんなブラック企業での勤務経験が転職で大いに役に立つことがあるそうです。
会社の不穏な噂を耳に……
「新卒で入社した会社は立ち上げて間もないネット広告を扱う会社でした。やりがいを求めて入社したのですが、ワンマン社長に加え『スタートアップだから』を言い訳にした長時間労働、パワハラのオンパレードだったんです」
そう語るのは伊藤麻里子さん(仮名・28歳)です。
「残業は当たり前でしたね。深夜1時に帰宅して翌朝6時には出勤していました。入社して3年間そのような激務を続けて、いよいよ体が悲鳴をあげるというときに会社で変な噂を聞いたんです」
麻里子さんは続けます。
「社長が突然投資系の事業に手を出したという話と、給料が遅配されるんじゃないかという噂です。それを先輩たちから聞いて、『これはヤバイな』と思いました」
スタートアップだからといって、到底容認できないと感じた麻里子さん。
「それで思いきって会社を辞めて、大学で習得した教員免許に全てをかけようと思いました。親元に戻り、貯金を切り崩す生活をしながら教員採用試験の勉強をして、通信教育で単位をいくつか取りなおしました。改めて教育実習にも行ったんです」
結果、麻里子さんは教員採用試験に合格。地元の小学校で晴れて教員となりました。
全面接官が泣いた!? ブラック企業苦労話
「採用試験の合格通知が来たときに泣きましたね。友人たちが合コンやらデートやらでキラキラしているなか、私は貯金を切り崩して生活をし、大学生にまじって教育実習に行き『一人だけおばさんがいる!!』と小学生になじられたのもいい思い出です」
麻里子さんは辛そうな思い出も楽しそうに話します。
「採用試験の面接で前職での話を聞かれました。長時間労働で体を壊した話や激務、パワハラの話を正直にしたところ、その場にいた面接官が涙ぐんでいました。年配の女性面接官にいたっては『よくがんばりましたね』とねぎらいの言葉までかけてくれたんです」