職場の厄介な“50代バブル世代”とどう付き合う?プライド高いオヤジのトリセツ
あなたの職場にもこんな困った人はいませんか? 自分のことしか考えない協調性ゼロの同僚、プライドだけ高くて仕事しないオヤジ。いつも上から目線のイヤミな奴、権利ばかり主張して義務を果たさない人などなど…。
働き方改革や新型コロナショックを契機として、我々の働く環境が大きく変わろうしているにもかかわらず、程度の差はあるものの多くの職場ではこのような厄介な人たちが生息しています。
一緒に働く仲間ですから自分や周囲の人たちのやる気や働き甲斐、職場の雰囲気にも影響があります。そんな困った人たちとの付き合い方を、ある中堅メーカー営業3課のメンバーと考えていきましょう。
ウザいバブル世代からの「お願い」
「ねえ、山本君、このレポートを課長から頼まれたんだけど、ここの部分ちょちょっとエクセルでシミュレーションしてくれない?」
元資材部の部長だった松本さん(55歳)が降職となり、営業3課に異動して3カ月が経ちましたが、こんな調子で中堅社員の山本君(26歳)に近寄ってきます。
「ええっ! またですか。そろそろsum以外の関数も覚えてくださいよお。結構時間かかるんですよ」
渋々承諾した山本君でしたが、自分の仕事もまだ終わっていない状況です。
「山本君のように困った人を助けてくれる若手は、貴重な戦力だよ。僕が管理職だった時はそういう人は、人事評価や昇格などで加点してたし、浅野課長だって同じ思いのはずさ」
人事評価に「後輩支援」はあるが、「ベテラン支援」という項目はないと思った山本君でしたが、反論しても倍返しで説得されるので仕方なく引き受けました。
そもそもバブル世代ってどんな人たち?
なぜ、こんな面倒なベテランが生まれるのでしょうか? そのヒントは世代にあります。
50歳以上60歳定年前の世代は、ちょうどバブル景気の前後に入社した人たちです。バブル景気のピークは1990年でしたが、バブルを経験した社員を含めると、この世代を「バブル世代」とひと括りにしていいでしょう。
彼らはバブル期の求人難で、能力的に無理な大企業にも入社することができました(いまの20代前半の若手の就活状況と似たものがあります)。当時は空前の活況で仕事もあふれるほどやってきて、大きな失敗をしでかしても、「次があるさ」とばかりにお咎めなしだったりする。経費は使い放題で、使わなければ逆に怒られるという時代を経験しました。
そして平成から続いている失われたデフレ経済下で会社の業績が悪化しても、リストラされずに残れているので、「頑張れば何とかなる」という楽天的な考えがベースにあります。