英語1語で「僭越ながら」の意味を表現するには?
日本語で挨拶をする時に良く使うのが、「僭越」という表現。会社の式典であいさつを頼まれた時であったり、結婚式などの席であったり、色々な場面で遜(へりくだ)って使う表現です。
「英語では謙遜表現はない」とか「英語圏で遜る必要はない」などと思われがちですが、実際にはそんなことはありません。イギリスなどでは日本と同じような謙遜の表現が多くありますし、アメリカであっても、有能なビジネスパーソンが遜って話すことがあります。
第53回 僭越(せんえつ)
そんな時に使える、念のために知っておいて無駄はない単語がPresumptuousです。もしかすると大学受験や英検の勉強で学んだ記憶があるかもしれません。でも意味は思い出せないという人も多いかと思います。
訳語としては「図々しい」とか「厚かましい」というものが単語帳などには出てくるかもしれません。「図々しいかもしれませんが」「厚かましくも」という意味から、「僭越ながら」のニュアンスになります。
最初に出てきた挨拶の場などでは、It would be presumptuous of me to say a few words in front of all the distinguished guests, but….と言えますね。「ご来賓の皆様を前にしてご挨拶差し上げるのは僭越ではございますが」が日本語訳です。
日本語でも「○○ではございますが」と逆説で文章を続けるように、英語でもButを付けて文章を続けます。
「Presume」と「Assume」の違い
It is presumptuous of me toを1つのパターンとして覚えてしまってもよいでしょう。It is very kind of you.などのように、「形容詞+of+人」の構文はよくある構文です。
ちなみに、Presumptuousの基となるPresumeなら馴染みがある、という人は多いかもしれません。「推測する」という意味です。同じ意味で似た英単語のAssumeに馴染みがある人も多いかもしれません。どちらも日本語では「推測する」と訳されますが、意味に違いがあります。
Assumeは特に証拠や根拠となるものがなくて「推測する」という意味です。I assume everything will be ok.は「たぶん大丈夫じゃないの?」程度で、ある意味で無責任な発言です。
「特に問題が発生しそうな雰囲気でもないしね」というイメージ。しかし、I presume everything will be ok.だと、もう少し根拠がありそうです。またPresumeのほうが少しフォーマルな響きもあります。