アパレル企業なのに、配属先はなぜか居酒屋!? ブラックインターンの実態
売り手市場と呼ばれるここ数年の就活市場。とはいえ、大手・人気企業は依然として高倍率で、内定獲得するのもひと苦労です。
学生としてはこの時期に行われるインターンを「なんとか内定への糸口としてつなげたい」と考えるでしょう。しかし、なかにはとんでもない“ブラックインターン”も存在するそうです。
「憧れのアパレル会社のインターンに決まったのに散々でした」と口をとがらせる、石井雅彦さん(仮名・23歳)。彼は昨年の就活生の時期に経験したそうですが一体、どんなインターンだったのでしょうか?
アパレル会社のはずが…居酒屋に集合
「中堅どころのアパレル会社ですが、粒よりのデザイナーが揃っているため、洋服好きの間では人気のブランドでした。もちろん僕もその一人なので、インターンとして就業できるとわかると、思わず『よっしゃあ!』と声に出してしまいました」
ところが、インターン初日、他の大学生と会議室に集められ、そこで驚きの事実を知らされたのです。
「インターン全員が飲食店に配属されるとのことでした。その会社が多角経営の一環として、アパレルブランド以外に、カフェや居酒屋、ワインバーを運営していたのです。僕はよりによって居酒屋。カフェやワインバーより雑用が多いと聞かされて、そこの店長に紹介されました」
最初のうちは接客のセンスを試されるために配属された、と好意的に受け止めていた石井さん。しかし、後でわかったのは、同社はこれまでインターンを全員飲食店に配属していたという事実でした。
1日7時間働いても賃金はゼロ
石井さんは「だんだん、都合の良いように使われているのではという疑念が生じた」と言います。
「午後4時に入店して、準備に1時間。開店すると、ホールで注文を取ったり、酒や料理を運んだり、接客したり、後片付けや、洗いものをさせられたり、たまにレジもやらされました。
売上をエクセルで集計するのも、いつの間にか僕の仕事になり、閉店の午後11時までこきつかわされて、帰宅。毎日ぐったり疲れますが、時給はゼロです。7時間働いて、賃金をもらえないなんて、バイトよりヒドいです」
そもそもインターンの募集で、時給がもらえない条件は、全く知らされていなかったそうです。1週間後、たまらず石井さんは「そういえば時給を聞いていないのですが、いくらですか?」と店長に聞きます。
すると、「聞いていないの?」と呆れた顔で見つめてきたそうです。この時を、石井さんは「嫌な予感がしました」と振り返ります。