「映画鑑賞、読書。ありきたりな趣味はNG?」就活の噂5つを検証した
――なるほど。3つ目ですが、選考の段階で履歴書やエントリーシートが手書きな企業も多いですが、何度も書き直したりと学生にとっては大変な作業です。これはパソコンだとダメなのでしょうか?
松本:そもそも手書きにこだわるところは、数万件のエントリーがある超人気企業であることが多いです。その場合、就活生の志望度を試すスクリーニングとして手書きを指定することもあります。
それ以外だと、選考の初期に「学生時代に頑張ったこと」「志望動機」を提出させる企業も多いですが、それは割とペーパーレス化されていますね。
――もし手書きの指定がない場合はどうしたら?
松本:指定がなければ、手書きとパソコンのどちらでも大丈夫です。ただ、手書きのほうが筆跡からにじみ出る人柄が伝わったり、面接時に印象が残りやすく、そういった面を重視する企業もあります。
また、意外と就活生に多いのが、解答欄を無理やり埋めようとして、妙に大きい字や極端に細かい字で書く人で、これもやめたほうがいいでしょう。
――4つ目に資格ですが、些末なものや、会社の事業と関係ないもの含め、なるべくたくさん書いたほうがいいのでしょうか?
松本:多ければいいわけではありませんが、直接関係ない資格でも、意外性があって面白ければいいと思います。ただ、例えば証券系の難関資格を持っているのに、まったく別の企業を受けると「もしかしたら本当の志望と異なるのかな」と、マイナスに取られていることも。
大切なのは面接時の質問にどう返すかですね。「本当はこの資格で別の業界を志望していたのですが、こういう事情で今はこの業界を志望しています」とか。
――もうひとつ5つ目に、特技・趣味の欄に「映画鑑賞」「読書」だけだと、面接官に響かないと思うのですが、ありきたりな趣味は避けたほうがいいでしょうか?
松本:趣味・特技は実際の選考にはほとんど影響ありません。会話のきっかけ程度に理解したほうがいいでしょう。ただ、なるべく具体的に書いたほうがいいです。
――具体的にというのは、なぜでしょうか?
松本:面接官は人権侵害 に繋がる恐れがあるため、就活生の思想・信仰を尋ねてはいけません。そのため愛読書まで質問することができないのです。
趣味が読書なら「愛読書は何か」、映画なら「月に何本映画鑑賞しているか」まで、あえて書いておくと面接官も話を振りやすくなるでしょう。
――それ以外で面接時に気をつけるべきことはありますか?
松本:面接で一般的によく聞かれる質問は、ガクチカで、これは「学生時代、力を注いだこと(頑張ったこと)」の略称です。
ただ、微妙な違いはあっても、この質問への回答はマニュアル化されやすく、ほかの学生と似ていることが多い。なので、面接官もガクチカに聞き飽きてきたところで、趣味や特技といった仕事以外の質問をする。
そこで会話が盛り上がったり、本来の人間性の理解に繋がったりもします。あとは自己PRが、趣味や特技から裏づけされているとよりいいかもしれませんね。
<取材・文・撮影/井野祐真>