仕事中に仮眠もOK!? 発達障害者の「潜在能力」を引き出す制度はどうあるべきか
キャリアアップの道を用意する
衣料品などを扱う会社サザビーリーグHRでは、発達障害者約60人を雇用しています。しかし、モチベーションが上がらないことを理由にした離職率の高さが問題になっていました。
そこで、この会社では、マネジメントに挑戦したい社員を登用する「リーダー職」制度を導入し、手当を支給することにしたのです。さらに、発達障害の社員を親会社に派遣する制度も始めました。親会社に転籍することも可能で、給与も大幅にアップし、より大きな仕事を任されるようになり、当事者のやりがいにも繋がりました。
この制度を利用して、本社のIT部門で働いている社員の女性は、番組のインタビューに次のように答えました。「信頼していただけるからこそ、こちらも頑張ろう、貢献しようという思いが出てくる」。
発達障害者を、企業経営の大事な戦力としてみなすことで、当事者にとってもやりがいが生まれ、業績もアップするというウィンウィンの関係が生まれている事例です。
働き方への関心の高さが伺えるSNSの反応
【今夜10時】
「福祉の意味で障害者を雇用していると、雇用することが目的になりがちです。これって働いている障害者が幸せかというと僕はそうじゃないと思う」
(#発達障害 のある人を積極的に採用している会社の社長)発達障害と働き方を考えます。https://t.co/FSVW3LD6NZ
— NHK「クローズアップ現代+」公式 (@nhk_kurogen) 2018年11月26日
「発達障害の就労について取り上げてくれたのはとても嬉しい」
「障害を特性だと捉えてくれる企業があるというのは心強い」
SNS上では、これらの会社の取り組みに対して、好意的な見方が少なくありませんでした。当事者やそれ以外の人たちの意見や体験談がたくさん呟かれており「働き方」への関心の高さも伺えます。
発達障害の特性を理解し、最大限に能力を開花させようという会社の改革に、明るい可能性が感じられます。
<TEXT/湯浅肇>