遠藤憲一、妻に「3年頼み込んだ」ブレイクのきっかけ
実力派の役者としてはもちろんのこと、最近ではバラエティ番組などで見せる素顔も人気の遠藤憲一さん(57)。
現在、元ヤクザで、小学2年生の少女とふたりで探偵事務所を営む心優しき強面キャラという主人公・矢能を演じて、その魅力を存分に発揮している主演映画『アウト&アウト』が公開中です。
そんな遠藤さんに、「セリフは一字一句変えずに」との演出に苦労した本作のこと、ご自身の小学生時代についてや下積み時代のこと、「怒ってくれる人は大事にしたほうがいい」といった20代の若者へのメッセージなどを伺いました。
自信がなく不安だった
――強面キャラと、そんな主人公の相棒が女の子というギャップに加え、遠藤さんからにじみ出るやさしさが見えて、イメージにぴったりでよかったです。
遠藤憲一(以下、遠藤):そこが売りです。少女とおじさんが相棒だという(笑)。
――オファーが来て、脚本を読まれたときの印象はどんなものでしたか?
遠藤:演じるのは結構大変かなと思いましたね。原作も脚本もそうですが、主人公だけれど、動きはほとんどない。主演だけど受け身という。これをどう工夫したらいいだろうと最初は考えました。
――役者さん自身の存在感が重要になってくる役ですね。
遠藤:そこに関して自分にあまり自信がないので。木内(一裕)監督も、そこにドン! といてくれればいいですからと言うんですけど、自信がなくて。それで大丈夫なのかなって。不安でした。
――主演を多く経験されている遠藤さんでも不安になるんですね。
遠藤:攻めの芝居ならまだ引っ張っていけるんだけど、「そういう動きのアイデアはいらないので、とにかくドンとしていてください」と言われてしまって。「周りが動くから」と。セリフも「一語一句、そのままでやってくれと」。
正直、出来上がるまで不安だったんだけど、完成作を観終わったら、きっちり描いてくれていて、すぐに監督のところへ行って「ありがとうございました!」と言いました。