「ビールをつぎ足す」と英語で言える?「off」の使いこなし方
飲み会以外でも使える「Top off」の表現
飲み会だけではなくガソリンスタンドでもTop offという表現を目にします。セルフサービスのガソリンスタンドで給油し、満タンにしたら1978円。あと22円分のガソリンを入れて「ちょうど2000円の会計にしたい」という気持ちになったことはありませんか?
機械が自動的に満タンかどうか判断していますが、実際にはタンクにまだ余裕がありますから、入れようと思えばもう少しのガソリンを入れることも可能です。
しかし、入れすぎるとあふれてしまって危険。それを防止する意味で掲示されてるのが、Do not top off.という看板です。ビールをグラス一杯に注ぎ足すような行為を、ガソリンスタンドでしないように、という意味です。
また、Offには「離れる」という意味があるのは、多くの人が知っているでしょう。Take offであれば、「飛行機が離陸する」の意味、He is off to work.であれば「彼は仕事に向かう」の意味。それに加えて、職場などで使える表現として、Off tangentを覚えておくと便利かもしれません。
枠組みから外れるのがOff
「タンジェント」と聞くと、高校の数学の授業を思い出すかもしれませんが、ここでは数学的な意味ではなく、「方向」程度の意味。
「方向からOffになる」ですから「(話などが)脱線する」の意味。The meeting went off tangent.「会議が脱線した」とか、Sorry, I was off tangent.「すみません、話が逸れてしまいました」などと使うことができます。
1つ目の表現と2つ目の表現では、同じOffが使われていますが、Offの意味には共通項が無いように感じるかもしれません。しかし「電気を消す」という意味で、Turn offといったり、「先延ばしする」の意味でPut offといったりします。頭の中でイメージされている枠組みから外れるのがOff。
グラスやガソリンタンクからこぼれる様子、スケジュールの範囲外に出されてしまう様子、あるべき方向性から離れてしまう様子を想像してみてください。つまり、「逸脱する」イメージがOffにはあるのです。
<TEXT/木内裕也>