「フラれた」を英語で言える?学校で習わない「受動態」の使い方
能動態と受動態の書き換えは、中学校の英語の授業で何度も繰り返し練習した記憶があるのではないでしょうか?
I wrote a novel.を A novel was written by me.と書き換えるような練習です。
同じ意味だけど、2つの表し方がある
【第18回】受動態に隠された意味
これらの文法を「同じ意味だけど、2つの表し方がある」と学んだのではないでしょうか? 確かに、どちらの表現を使っても「自分が小説を書いた」という事実自体は変わらないのですが、与える印象には大きな違いがあります。
受動態に隠された意味の1つ目は「能動態=加害者」「受動態=被害者」的な印象が与えられる点。
恋愛関係の「ふった」「ふられた」もそうですが、I dumped him/her.「彼/彼女をふった」とI was dumped.「ふられた」では印象が違います。
受動態は「心の中のわだかまり」
前者では、自分から恋愛関係を解消したイメージですが、後者では「別れたくなかったけど、ふられた」というイメージです。「恋愛関係解消」という事実は同じでも、印象は大きく違います。
これに関連した2つ目の意味として、受動態からは「心の中のわだかまり」が見え隠れします。
I was dumped.には「別れたくなかった」とか「ふられたことに対する心の傷」が見えてきます。We broke up.だと、心の中のわだかまりがあるかもしれませんが、表現自体からはわかりません。
He tricked me.「彼が私を騙した」という表現を考えてみましょう。ある意味、客観的な響きもありますし、「何だよ、あいつ」という心理状況があるかもしれません。逆にI was tricked.と言うと、「してやられた」というような、「被害者心理」や「心の傷」のイメージがより強くなります。
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