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若手社員の忘年会カラオケの乗り切り方「課長のX JAPANでXジャンプをすべき?」<常見陽平>

学び

小沢健二に詳しい女性の先輩には…

Q.「ドン引きしたカラオケの振り付け、演出などってありますか?」

A.異動先の部署で、「おい、椅子並べろ」と言われて、何かなって思ったんです。その部署の人たちが、カラオケによくある、円筒状椅子を横に倒して数個並べたんですよ。担当役員が光GENJIの「パラダイス銀河」を歌いだしたんですけど、サビに合わせてその上を“ローリング”して……唖然としました。その人は後に社長になりました。

 コンサート直前キャンセルで話題となった沢田研二ですけど、彼の代表曲「ストリッパー」を歌いつつ、全裸になる上司もいました。自分で脱ぐのではなく、部下二人を隣に配置し、脱がせてもらうんです。彼は現在、品質管理部門の部長をしていますが、このカラオケのクオリティ、大丈夫ですかね?

Q.「小沢健二に熱い女性の先輩がいるんです。渋谷系っていうんですよね。詳しくないんで、質問して好感度を高めたほうがいいですかね?」

A.あなた、パンドラの箱をあけてしまうのですか? やめましょう。ジャンルに関して深く聞くとハマりますし、面倒くさいです。それを耐え抜く力があるなら別です。

先輩ウケがいい振る舞いはこれ!

上司と部下

Q.「先輩ウケがいい振る舞いってなんですか?」

A.このあたりは、カラオケパブやスナックの店員を観察して学びましょう。タンバリンの乱打、合いの手、終わったあとの拍手ですね。また、お酒の減り具合をみて、追加注文も忘れずに。あの固定電話の近くに座りましょう。

Q.「常見さんと同じくらいの人たちとカラオケに行く際に、覚えていたほうが良い合いの手はありますか?」

A.うーん、ありすぎて網羅的には書けないですね。まずは、アン・ルイスの「あぁ無情」の“ふうふう”、郷ひろみの「男の子女の子」の“ゴーゴー”あたりから始めてみましょう。先輩の様子をみつつ、少しずつ慣れましょう。

Q.「もう会社のカラオケなんか行きたくないです。二度と誘われないための方法ってありますかね?」

A.私は自分が大好きで、自分が歌う曲以外、興味がない的な振る舞いを続けていたら、会社のカラオケどころか、プライベートでもカラオケに誘われなくなりました。

 マイケル・モンローやセバスチャン・バックというロックシンガーを真似して、マイクを回すパフォーマンスをして、グラスを倒しまくったことがあるのですよ、若手社員だった頃に。これで、みんな、誘ってくれなくなりました。物書き業界の大先輩から聞いた必殺技は、「君が代」を歌うことだそうです。新入社員にこれをやったところ、皆、どう反応していいか分からず凍てついたとか。

 まだまだあるが、この辺で。くれぐれも言う。会社のカラオケは、楽しむな。自分が楽しむ場ではないのだ。とにかく1回目のカラオケまでに情報収拾をすること、相手を観察すること。これにつきる。なんとか生き残ってくれ。

<TEXT/常見陽平>

働き方評論家。千葉商科大学国際教養学部准教授。1974年、北海道札幌市出身。一橋大学商学部卒業、同大学院社会学研究科修士課程修了。『社畜上等!――会社で楽しく生きるには』など著書多数
■Twitter:@yoheitsunemi

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