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ネットで270万円調達して猫本屋を作ったサラリーマンの、したたかな開業戦略

学び

クラウドファンディングは“自分のプランを試す機会”

猫本屋

店主の安村正也さん(50歳)。昼間は外資系マーケティングリサーチ会社で働く

――新しいことを始めるとき、資金が一番の問題になることも多いですよね。安村さんは資金集めにクラウドファンディングも利用していましたが、実際に利用してどうでしたか?

安村:僕の場合、クラウドファンディングは資金集めが主目的じゃなくて、自分が考えているプランを世に知ってもらうことが主目的だったんです。当然、サクセスしないとプランが認められなかったことになるので、サクセスは目指しましたけどね。

――サクセスしないと、自分のプランが世間に認められなかったという事実だけを世間に知らしめて終わってしまうわけですね。それはリスキーですね。

安村:そうなんですよ。ですから、お金集めのためだけにクラウドファンディングを利用することは、個人的にはまったく勧めないです。「自分のプランが世の中に評価されるかどうか」を試すという意味で、しっかりプランを練ったうえで活用するのはいいと思いますけどね。

 クラウドファンディングでサポートしていただいた方と知り合いになって、実際にビジネスを始めたときにその人に声をかけられるというメリットもありますし。

不特定多数の人にお金出してもらうためには

猫本屋

クラウドファンディングでは270万円を調達 ※画像は公式サイトより
https://camp-fire.jp/projects/view/18892

――人脈の広がりにもなるわけですね。

安村:そういう使い方はいいと思います。それと、僕の場合、クラウドファンディングのプロジェクトをオープンする前に内容を4か月ほど吟味したんですよ。

 それくらいじっくり書くと、自分の考えていることの棚卸しになるし、どうやったら人に伝わるかを学んでいけるんですよ。その練習にはいいと思います。

――考えを文章化する経験がまだ少ない若い世代には、特にいい練習になりそうですね。

安村:今後何をやるにしたって、事業計画を立てたりプレゼンをしたりしなくちゃいけませんからね。いい練習になりますよ。

 不特定多数の顔も知らない人にお金出してもらうためにはどのように信用を得ればいいのか、じっくり考えることになりますから。

――安村さんの場合は想像以上の支援が集まったそうですが、それはそれでプレッシャーになりましたか?

安村:リターンをお送りするのも大変でしたし、「この人たちを裏切らないようにしなきゃな」「炎上しないように気をつけなきゃ」と考えましたね。挑戦する際は、そういう後先も考えないとダメですね。

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