KYBだけじゃない、データ改ざんで揺れる日本企業の大問題
燃費・排ガスのデータの改ざんが「SUBARU」
2017年、SUBARUでは、30年以上にわたって無資格者が完成検査をしていたことが判明しました。
この調査の過程で、燃費検査と排ガス検査においてもデータの書き換えが行われていたことが2018年3月に発覚し、この件の責任を取って当時の会長が辞任する事態になりました。
経済界の問題だけではない、日本の悪しき体質
この問題は経済だけに留まるものではありません。
今なお政界を揺るがしている財務省の「森友学園」の国有地売却を巡る文書書き換え問題や、国税庁が障がい者雇用を水増しした問題、「働き方改革」をめぐる厚労省の労働時間データの捏造問題など、政治の世界でも、偽ってはならない文書に手を加えてしまう事件が頻発しています。
日本では内部告発者に対して、報復的な措置をおこなうことも少なくなく、ましてやそれを是認する社会の風潮があり、声を上げにくい状況が後押ししているように感じられます。
一方、アメリカでは、タカタのエアバック欠陥問題を告発した元社員2名に113万ドル(約1億2000万円)の報奨金を支払ったり、バンク・オブ・アメリカとの和解に貢献した内部告発者3人に8300万ドル(約87億8000万円)を支払ったりするなど、不正を正すための仕組みを整備しています(参照:「日経新聞」「WSJ」)
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「内部告発」が流行語にトップテン入りしたのは2002年。あれから16年が経とうとしていますが、日本の悪しき体質は何ひとつ変わっていないのでしょうか……。
<TEXT/湯浅肇>