大手企業の学歴フィルターを攻略した就活生の“たったひとつ”の強み
「とにかく不安で仕方がない」「自分に自信が持てない」「何をやるにも気力がわかない」。
こんな気持ちになったことはないでしょうか?
これまで10年以上にわたって、のべ8000人以上のカウンセリングをしてきた心理カウンセラー、舟木彩乃さん。舟木さんによれば、耐えきれない悲しみや不安、苦悩を乗り越える“魔法の力”として近年、注目されているのが「首尾一貫感覚(SOC)」。
「だいたいわかった(把握可能感)」、「なんとかなる(処理可能感)」、「どんなことにも意味がある(有意味感)」の“3つの感覚”からなる首尾一貫感覚について説いたのが、舟木さんの初の著書『「首尾一貫感覚」で心を強くする』(小学館新書)。この記事では本書から一部を抜粋・再編集し、特別に公開します。
カウンセリングで最も多かった相談
あなたは、今までの人生の中で、もうこれ以上は耐えられないと思うような不安やストレスを感じた経験はありますか? もしかしたら、今も精神的に重い“荷物”を抱えていて、つらいと感じているのではありませんか? それはどんな“荷物”でしょうか。
私は今まで、カウンセリングや研究を通して、たくさんの方々のお話を聞く機会がありました。これまでの相談内容を振り返ってみると、最も多かったのは「人間関係」についての相談で、とくに親子や夫婦、恋人など距離が近い関係であればあるほど悩みは複雑になり、根が深くなっていきます。
人間関係に関する悩みが複雑になってしまうのは、トラブルやストレスの原因となっている相手を自分の思い通りにしようと思ってもできないからです。容易に変えられない相手だからこそ、強いストレスにもなります。
それでも、クライアントの悩みやつらさの原因を掘り下げていくと、もともとの悩みが他人との人間関係に由来していても、必ずそこには“本人の問題”が顔を出します。本人の捉え方や考え方によって、ストレスが強くなったり弱くなったりするのです。そのため、カウンセリングでは、クライアント本人にはたらきかけることで、問題を解決するようにしています。
カウンセリングで見えてきた「自分」
実際、カウンセリングをしている私自身も、常になんらかの“荷物”を持っています。人間関係のストレスや、さまざまなコンプレックスを抱えているからです。
それでも、「首尾一貫感覚」という考え方に出会ってからは、「3つの感覚」を自分に照らし合わせながら、重過ぎる“荷物”を軽くしたり、逆に今は重い“荷物”を持つべき時期なのだと自分を納得させたりと、自分の“荷物”の重量感をコントロールする術を身につけられました。
私自身がそのことに気づいてからは、首尾一貫感覚を意識してカウンセリングするようになりました。
クライアントの話を聞いていくと、「把握可能感」「処理可能感」「有意味感」という3つの感覚のうちのどの感覚が脅かされている状態なのかが見えてきます。時には、クライアント本人が自分の持っている首尾一貫感覚の強さに気づくことで目標を達成できたり、成功できたりした例もあります。
そういう意味で首尾一貫感覚は、どんなに苦しくても自分で自分に生き抜く術を与えてくれる“魔法の力”のように思えます。