どうしても会社に行けなくなった日のこと。
何がわからないのかわからない
あるプロジェクトでひとつのモジュールを引き継ぐ、というのが当時の自分の仕事でした。前任の方からかなり長時間のセッションを受けたものの、そもそものプロジェクトの背景や前提知識がない自分には、何が何だか…という感じでした。本来、ぼくはその引き継ぎが始まる前に、プロジェクトの全体像やそのモジュールの意義、それをどのように発展させていくか、日次や週次や月次でやることは何か、それらの仮説を持つべきだったのです。
しかし、そのような認識がなかったぼくは、漫然と引き継ぎのセッションに参加。それにより、「何がわからないのかわからない」という状況に陥りました。この状態は非常に危険です。「わからないことある?」「質問ある?」と言われても、全体像や前提を理解していないため、質問の糸口さえ見つからず、「大丈夫です」と返すしかなくなってしまうのです。
「わかりません」と言うのが本当に怖かった
「大丈夫でないなら、”実は全然わかってないです、助けてください”と早めにアラートを出すべきでは?」と思いますよね。もちろん、仰る通りです。ただ、当時のぼくは「わかりません」「助けてください」と言うのが本当に怖かったのです。
「こんなこともわかってないのか」「今更そんなこと聞く?今まで何やってたんだ」と言われたくない一心で「大丈夫です」と言い続けていました。コンサルティングファームで働いている以上、「わかりません、助けてください」は基本的に許されません。
人に聞く前に自分で調べ、考え、トライすることが求められます。それをやれていない状況で「わかりません」と言っても、状況が良くなるイメージが持てなかったのです。