高くなる冬の暖房費を節約するには?室温を“あたたかく保つコツ”をダイキンに聞いた
エアコンの使い方にも簡単にできる工夫が
「それから、エアコンの使い方にも簡単に取り組める工夫があります。あたたかい空気は天井のほうに、冷たい空気は床のほうに溜まりやすい性質があります。そのため暖房中の室内は温度ムラができやすく、床に近いところで暮らす私たちは足元が肌寒く感じることがあります。そんなときは、エアコンの設定温度を上げる前に風向きを下にしてみてください。温度ムラの緩和につながり、足元も比較的あたたかく感じられると思います」
温度ムラがしっかりと抑えられない場合は、エアコンの室内機が付いている壁の向かい側に空気清浄機やサーキュレーターなど風を吹き上げられるような機械を置くといいという。
「そして、エアコンの風向は下に向けつつ、空気清浄機やサーキュレーターなども同時に運転すると効果的です。部屋の空気が攪拌され、天井に上がっているあたたかい空気をおろして床のほうも効率的にあたためてくれます。そうすることで、必要以上に設定温度を上げなくても過ごしやすくなるのです」
また、エアコン室内機の向かいに置くのは空気の攪拌と加湿ができ、なおかつHEPAフィルターを搭載した「加湿空気清浄機が理想です」と重政氏は言うが、あたたかい部屋づくりにどのような影響を与えるのだろうか。
冬の湿度は超重要
湿度について重政氏は「体感温度を左右する大きな要素です。湿度が20%変わると、体感温度は4℃変わると言われ、湿度が下がるとその分寒く感じます。加湿器などで湿度を40~60%を目安に上げてあげると、体感温度も上がるので、エアコンの設定温度の上げ過ぎを防げます」と言う。
「空気中に含むことができる水分の量は、温度によって変わります。温度が高いと、空気中には多くの水分を含むことができ、温度が低いと含むことができる水分の量が減少。空気中に含まれた水分量は同じでも、温度が高いほど湿度計で見る湿度(相対湿度)は下がります」
乾燥した冬の空気をあたためると、相対湿度はさらに下がり、より水分が蒸発しやすい状態になる。
「すると、人間の体からも水分が蒸発しやすくなり、蒸発のときに気化熱が奪われるため寒く感じます。また、肌の乾燥にもつながる。冬に適度な湿度を心がけることが、体感温度が低下するのを防ぎ、肌のうるおいを保つことにもつながります」