“NASAの計画”に抜擢!月面探査車ベンチャー社長が語る「100年後の地球」
地球環境のためにも宇宙開発は必須
――YAOKIを第二の体として利用してもらおうという構想は、どこから出てきたものなのでしょうか。
中島:私が宇宙開発の必要性を感じている理由にも関係してきます。地球の人口はいまなお増え続ける一方で、貧困の格差もなくなれば絶対に地球の資源だけではやっていけないでしょう。そうなると、周辺の惑星にある資源も必要になってくるはずです。そこで月に人が住める環境を作らなければならないだろうというのが1つ。
もう1つは人類が生物として進化する先が「宇宙進出」ではないかということですね。50年前は月に降り立つのが目標だった人類です。今から100年後のことを考えれば、きっとその目標は遠く広がる宇宙を見据えているに違いないはず。その時に考えられる暮らし方のひとつとして、ロボットをアバターにする世界もあり得るのではと思いました。
人類が進化するタイミングは今
――100年後を見据えての計画ということですね。
中島:そうですね。物事に取り組むとき、短期・中期だけでなく長期的な大きな目線を忘れないように心がけています。目の前のことだけだと、どうしても視野が狭くなってしまうんですね。
短期的にはいますぐ取り掛かれる、言い訳なしに取り組むべき目標を設定。しかし中期的なアイデアと紐づくかどうか、業界の動向なども注視しつつ進めます。その中で長期的なイメージをさまざまなところで語って、仲間を探すのも私の大事な仕事です。
現在も月の環境で壊れない電池や部品を開発している会社を探していますが、ビジョンが共有できない会社と長期的な連携は難しいのではないでしょうか。
地球の環境を振り返った時、問題は見えています。生物として大きく進化するタイミングがいつなのかというと、今なのではないかと。宇宙進出の大きな節目に立っていると考えると、ワクワクしますよ。
<取材・文/木村義孝 写真提供/株式会社ダイモン>