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“低スペック男”のアプリ婚活は「手数を増やすことが基本」大学教授が直伝

暮らし

「収入の壁」は残酷なまでに高い

 ここまで読めば、マッチングアプリならではの激しい競争が日夜繰り広げられていることが分かったはず。さて、いわゆる“普通の男性”に入れない男性はどのように戦えば良いのだろうか。何やら、なかなかに厳しい現実が待ち受けているらしい。

「若年層の場合、同世代の収入格差もそれほど大きくないため、プロフィール写真を作り込むことで、マッチする可能はあるかもしれません。この戦い方をすれば、Tinderのように収入や身長といったスペックで条件検索できず、ビジュアルだけで直感的にマッチングを行うタイプのアプリが適合すると考えられます。

 しかし、20代後半に入ると、収入面で“女性が求める普通”に達しない男性はかなり厳しくなるでしょう。仮に容姿をなんとか“普通以上”まで磨き上げたとしても、年下イケメンとの競争は厳しいものになると予想されます。

たまたま低収入で低身長でブサイクな自分を気に入ってくれる女性』と出会う奇跡を信じて、ひたすらマッチングの申込みを増やすショットガン・アプローチ以外、手段はないと思います」

結婚を諦めるキッカケをくれる?

結婚

 マッチングアプリを題材にして書籍まで作った高橋氏。取材の最後にマッチングアプリというサービス自体について何を思うのかを聞いてみると、「ここ最近、“マッチングアプリは人間を解放するツール”と考えるようになりました」と哲学的な回答で締めてくれた。

「男性も女性も、自分の本音に従って、納得いくまで理想の恋人・配偶者を探し続けることができます。アプリ婚活・恋活が日常に浸透していくことで、不本意な相手と交際したり、無理して結婚する必要が大幅に減っていくでしょう。つまりは不幸になる結婚から人間を解放してくれるツールと言えるわけです。

 実際、私自身はアプリ利用も含めて婚活で無駄な出費と辛い経験を重ね、『結婚しなくてもOK』と決断に至りました。周囲の圧力に屈してなんとなく結婚するよりは、ずっと良かったと考えています。結婚するにしても、結婚を諦めるにしても、このツールと上手く付き合い、自分が納得できるまで活動していくことではないでしょうか

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 結婚するきっかけはもちろん、結婚を諦めるきっかけさえも与えてくれるマッチングアプリ。利用して傷つくことも多いが、その先には納得できる選択肢が待っているのかもしれない。

<取材・文/望月悠木>

【高橋勅徳】
東京都立大学大学院経営学研究科准教授。神戸大学大学院経営学研究科博士課程前期課程修了。2002年神戸大学大学院経営学研究科博士課程後期課程修了。博士(経営学)。専攻は企業家研究、ソーシャル・イノベーション論。自身の婚活体験を基にした著書『大学教授がマッチングアプリに挑戦してみたら、経営学から経済学、マーケティングまで学べた件について。』(クロスメディア・パブリッシング)が話題に

フリーライター。主に政治経済、社会問題に関する記事の執筆を手がける。今、知るべき情報を多くの人に届けるため、日々活動を続けている
Twitter:@mochizukiyuuki

大学教授がマッチングアプリに挑戦してみたら、経営学から経済学、マーケティングまで学べた件について。

大学教授がマッチングアプリに挑戦してみたら、経営学から経済学、マーケティングまで学べた件について。

男女のカジュアルな出会いから真剣な婚活に至るまで、今や多くの人たちが日常的に利用しているマッチングアプリ。 それを題材に、ビジネスの世界の基礎教養といえる経営学・経済学・社会学などの知識を学べるのが本書です。

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