“恋人ナシ”35歳大学教授に聞くマッチングアプリの現実「実は理想的な出会いの場」
酷い振り方をしてもノーダメージ
「(リアルな場での恋愛は)最初に友人や同僚といった人間関係の構築があり、その後に恋愛関係が成立するわけです。そこに至るまででに性格や人間性への評価に加え、容姿や収入といった属性も混在した判断基準から恋愛関係に発展するかが決まります。
一方、マッチングアプリの場合、データ化された学歴・職業・年収・趣味・容姿といった属性のみで、好みの異性をピックアップして他の男性と比較することが可能。その中から気に入った人にアクセスして、容易に出会いの機会を獲得できます。
要するにマッチングアプリは人間関係から解放された状態、すなわち“コンテクストフリー”かつ“気に入った異性に容易にアクセス”できるわけです。マッチングアプリはいわば巨大なデータベースですので、今日出会った人よりずっと良い人と、明日出会える可能性が常に担保されています。仮に目の前の異性を手酷く振ったとしても、当然ながら悪評が広まることはありません」(高橋氏)
マニュアル人間が増加している?
コロナ禍によって一般層まで広く普及したともいえるマッチングアプリ。数年経過した今、アプリでの出会いが一般化したことで起きた変化があるとのことだ。
「アプリ婚活や恋活がより進んでいく一方で、婚活・恋活に悩む人向けのコンサルやサポートサービスを提供する事業者がとても増えてきました。それらのサービス内容を見る限り、どの業者も書籍やSNSで提供されているマニュアルと大きな差はありません。
逆に言えば、ここ数年間で、恋愛のマニュアル化が大きく進み、『またこのパターンか……』とげんなりするケースが増えたように思います。その結果、相手から判断材料になり得る情報が得にくくなり、以前よりもアプリ婚活・恋活が難しくなっていくのではないでしょうか」