A5ランク松阪牛が数百円で…三重県中心に展開する「ローカル焼肉店」誕生秘話
焼肉店「一升びん」の由来は?
「寄付金皿」企画は、肉の値段に寄付金の額が添加されているわけではなく、その皿が売れれば売り上げの一部から寄付金を出していたとのこと。店の心意気が感じられるエピソードだ。
宮町店以前の4店舗は、いわゆる一般的な焼肉店だった。創業の経緯について浅井氏に話を聞くと、開業の背景には家族のピンチと、店名につけられた思いがあった。
「創業は1962年です。父がサラリーマンをやっていたんですが、事故に遭ってしまい、勤めに出ることができなくなってしまいました。そこで、家族をどう養っていくか悩んで、自分で商売を始めることにしたんです。店名は、父がお酒が好きだったこともあって『一升びん』という名前にしたのですが、家族が『一生』食べていけるようにという思いも込めたと、父から聞きました」
社長は「三代目となる息子に期待」
父から受け継いだ店を拡大させ、大きな話題を呼ぶことになった回転焼肉を産んだのが浅井氏だ。そこにかける思いには、並々ならぬものがあった。
「回転焼肉は、集大成だと思って取り組みました。おかげさまでたくさんのお客様に楽しんでいただき、2021年には名古屋で回転焼肉の店舗をオープンしました。レーンを作るために広い敷地が必要なので、大都市圏に出店するのは難しいと思っていたんですが、多くの方のご縁とご協力でなんとかオープンできました。私も若くないので体力もなくなってきていますが、頑張って名古屋まで通っています」
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名古屋の店舗は、わざわざ松阪まで出向かなくても、美味しい松阪牛が手軽に食べられると好評を得ているようだ。今後の展望について尋ねると「三代目となる息子に期待しています」とのこと。三重、名古屋に出かけた際、美味しく楽しい「一升びん」の回転焼肉でリーズナブルに松阪牛を食べてみるのはいかがだろうか。
<取材・文/Mr.tsubaking 編集/ヤナカリュウイチ(@ia_tqw)>