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「ヤバい物件のほうが再生数伸びる」不動産業界人らが語る“事故物件”の裏話

暮らし

目指すは「日本一ホワイトな不動産屋」

石橋:動画を見て契約に繋がることは多そうですよね?

なかじ:動画は物件を知ってもらうためには使ってますけど、その場で物件を決めてもらおうとはしていないです。偶然、僕らの動画を見てる人がその場で物件を決めるってのは相当確率が低いですから。

 あと売り込むことを考えた動画はおもしろくないじゃないですか。僕らは「若干ふざける」ことを意識していて、視聴者が“どこが気になるか”などを考えて動画を作ってます。インスタストーリーで不動産に関する情報を発信しているんですが「仲介手数料はなぜ払うか」「お金はこういうことに払うといい」などがメインで、不動産はあんまり売ってないです。

 たとえば「友人に紹介したい不動産屋はいますか?」と聞かれても、ほとんどの人は誰も思い浮かばないですよね。自分はそう(紹介したい不動産屋)なりたいんです。徳を積んでいけば、いつか仕事が増えてくると思っています。

 契約料も安くしたり、「うちで契約すると礼金なしになりますよ」とかすると、僕らの利益は減りますが、お客さんを幸せにしていれば、いつか自分に返ってくるはずなので。今のところ従業員の皆さんもいきいきとやってもらってるので、日本一ホワイトな不動産屋をめざしています。

ないけんぼーいずが3人から1人になって…

不動産対談

「ないけんぼーいず」のインスタグラム

石橋:動画の視聴回数が多くなるほど、集客ができるので、フリーレントの時期を作れるとか管理会社と交渉ができるということですね。ないけんぼーいずのメインはなかじさんですよね。

なかじ:最初は3人とかで始めたんですが、方向性の違いなど色々あって、自分1人でやることが多くなりました。

――ないけんぼーいずはなかじさんありきだと思うので、それが別の人だと変わってくるのではないかなと思います。

なかじ:僕は声だけなので、僕以外の人が出演しても問題ないという検証をしています。僕のテンプレに当てはめるだけなので、動画は真似できると思うんです。まだ動画を賃貸から売買に寄せていくまで、うまくいってないんです。

 将来性を考えると、売買のほうが差別化しやすいし、個性を出しやすいと思うんですよ。賃貸だとうちとしての良さを出せないところがあって、交渉してもなかなか値下げも限界がありますだから、来季は売買に力を入れていきたいなと思っています。

 また投資物件なんて買わなくていいと思います。お金に余裕のある人が買うなら話は別ですが。普段の仕事の7~8割はカウンセリングですね。どういう物件が欲しいか「なんで? なんで?」を繰り返して本当に欲しい物件情報を炙り出していくんです。住みたい物件などを自己理解してる人は少なくて、そこを引っ張り出すと信用されます。

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