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著者として「本との向き合い方」
水野:貴著『レバレッジ・リーディング』では、読書にレバレッジをかけるというお考えを示されていましたね。
本田:そうですね。昔から本というものは、読むだけで終わってしまってはもったいないと考えていました。例えば、入浴や通勤といった日頃の習慣と共に読書をする。また、「目的を決めて読む」といった読み方は、気がついたらやっていたことです。
水野:『レバレッジ・リーディング』から、レバレッジをキーワードにした著作シリーズを展開されたのは、出版戦略としても凄かったと感じています。
本田:本は何を書くかはもちろん大事ですが、そのうえで、売ることもしっかり考えなければなりません。私が本を出し始めたころは、本を売るという仕事は出版社任せにすることが一般的で、著者自身が売り方を考えるということはあまりなかったように思います。
実際、書店に行くと面で置かれなくなってしまった著作はなかなか売れません。そこで私は、「著者自ら売るためにどうすればいいか」ということを考え、「レバレッジ」をキーにシリーズ化することにしたのです。
水野:レバレッジシリーズは続きましたね。同じシリーズをそれぞれ別の出版社で展開したことが画期的だったと思います。
企画を出版社任せにすると作家として消える
本田:そうですね。レバレッジ「時間術」は幻冬舎、「シンキング」は東洋経済新報社、そして「勉強法」は大和書房から出版しました。書店で平積みや本棚で表紙を見せることで、過去の著作も継続的に売れるよう仕掛けたのです。当時としては珍しい取り組みだったと思いますが、異なる出版社から出したことで、1つひとつに緊張感を持てたことも本づくりにはプラスに働いたと思っています。
水野:ビジネス作家として、本を出し続けるため、生き残るためには何が大事なのでしょうか?
本田:一番は、「読者のために書いているか?」というところでしょうね。それがなくなってきて、数を出したいとか、企画を出版社任せにしてしまうと、作家として消えていくのだと思いますね。
水野:本は、ご自身の行動のヒントにもなってきたのでしょうか?
本田:そうですね。ビジネスで悩んだときには本を読み、「こうすればいいのか」とヒントを得てきました。特に私が経営者として走り出した頃はドラッカーの本でマネジメントを学びましたし、カーネギーの『人を動かす』では、組織の中で上手に人を動かすためには何が必要かを学び実践してきました。
そういう意味で、本は学びが体系的にまとまっている、最も効率的なインプット法といっていいでしょう。しかもコストも安い。だから買って読んでみて、面白いと思えば1つでもいいから実践し、面白くなければ捨ててしまう。それくらいのフットワークで本と向き合えばよいと思っています。