ほとんど影響ないのに…飛行機で「スマホを機内モード」にしなければいけないワケ
進化し続けるビジネスクラスのシート
近年、航空業界ではビジネスクラスの座席が変わりつつある。ビジネスクラスの進化が始まったのは2000年頃。ブリティッシュ・エアウェイズがビジネスクラスにはじめてフルフラット型リクライニングシートを導入したのが始まりである。今では、シートを倒せば成人1人がゆったり横になれるフルフラットタイプ(完全水平)は当たり前となっている。
しかし、さらに進化は続いている。それはシートの配置だ。ビジネスクラスは2本の通路に2席ずつを3列、計6席を並べる「2-2-2」の配置が主流だった。しかし「1-2-1」の4席とする贅沢な配置が登場。これによりプライバシーが守られるうえ全席が通路に面するため、トイレに立つ際も隣の乗客を気遣う必要がなくなった。
ただ、これだと設置できるシート数が減ってしまうというデメリットがある。そこで生まれたのが進行方向に対しシートを斜めに並べる「ヘリンボーン型」である。斜めにすることで1席当たりの縦幅が小さくなり、結果、全体の座席数を増やしている。上から見ると魚の骨(ヘリンボーン)のように見えるところからの命名だ。
収益の大半はビジネスクラスから得ている
2011年から採用されたデルタ航空とキャセイパシフィック航空のシートは、窓側の席は顔を窓に向けるかたちで、中央の2席は通路を背中に向かい合わせる形で配置されている。
もうひとつは、JALやANAなどが2010年頃から採用している「スタッガード型」配列である。スタッガードとは互い違いという意味である。つまり、前後で座席を半分ずつずらしてジグザグに配置し、プライベート空間を確保しようというものだ。
こうした流れは、ファーストクラスとのサービスの格差がなくなることにつながり、結果、ファーストクラスを廃止するエアラインも出てくるようになったほどである。航空各社がビジネスクラスの快適性に力を入れる理由は、収益の大半をこのクラスから得ているという事実があるからだ。