新幹線の発車時刻に隠されている15秒ルール。正確な発車時刻を測るには
新幹線唯一の季節限定“臨時駅”が上越にあった!
新幹線は在来線と軌道が違うために直通運転ができないため、在来線の駅とは別の駅をつくるケースが見られる。たとえば、新大阪駅などは新幹線開業時には在来線の駅がなかったために、わざわざそこに在来線の新駅を設置した。
しかし、なかには在来線が通らない新幹線専用の駅がある。東海道新幹線の岐阜羽島や山陽新幹線の新神戸、東北新幹線の水沢江刺、白石蔵王、上越新幹線の上毛高原、北陸新幹線の安中榛名などは、どれも新幹線でしか行けない専用駅だ。
こうした新幹線専用駅は、あくまでも駅と駅との中間地点だ。本来ならば並行する在来線と接して駅を設置したかったところだが、新幹線と在来線との距離が離れすぎている場合などに設置される。上越新幹線にあるガーラ湯沢駅も、新幹線専用駅のひとつだ。しかし、この駅には、ほかの駅にないユニークな特徴がある。なんと冬季のスキーシーズンにしか新幹線が止まらない、新幹線の中で唯一の「臨時駅」なのだ。
ガーラ湯沢駅と隣の越後湯沢駅の間はわずか1.8キロメートル。しかも冬にしか止まらないというのだから、何もわざわざそんなところに駅などつくらなくてもよさそうなものだが、JR東日本にとってそうはいかない事情があった。ビジネスの上から、ここに駅が必要だったのだ。
ガーラ湯沢駅が誕生したきっかけは?
じつは、ガーラ湯沢駅はスキー場専用といってよい。利用者のほとんどはガーラ湯沢スキー場のスキー客。そして、このガーラ湯沢スキー場を開発したのはJR東日本。つまり、JR東日本は、自前のスキー場にスキー客を呼び込むために、どうしても新幹線の駅をつくらなければならなかったのである。
ガーラ湯沢スキー場の開発にあたっては、ユニークな裏話が残っている。もともとこの場所には上越新幹線の保守基地と越後湯沢を結ぶ保守線があった。国鉄が民営化されてJRになる際に、基地のある保守要員が突然ひらめいたという。「ここにスキー場をつくったらビジネスになるのでは?」すぐにそのアイデアを提案したところ、それがあっさり通ってしまい、ガーラ湯沢スキー場の建設が始まったという。
そんなスキー場のためにつくられた駅だけに、ガーラ湯沢駅はスキー場への玄関口そのものだ。駅を降りるとゴンドラが待ち受けていて、そのままGALA湯沢スキー場へと直行できる。毎年、冬になればたくさんのスキー客が訪れて大にぎわい。JR東日本のねらいは見事に当たったのである。
ただし、ガーラ湯沢駅は、運行速度などが新幹線としての要件に適合しないため厳密には新幹線の駅ではなく、在来線・上越線支線の駅として扱われている。