5年目で年収3000万円も。「超高給取り」になったM&A業界が欲しがる人材とは
能力に見合った給与設定は施策のひとつ
日本M&Aセンターではその職種を独自にとらえているようだ。中村氏は次のように述べる。
「M&Aコンサルタントは、経営者と対峙する難易度の高い仕事です。同時に廃業の危機に瀕した後継者不在企業の譲り先を見つけ、次世代につないでいく社会的意義の高い仕事でもあります。中小企業の社長にとって、何十年と経営してきた会社を手放す決断は容易ではありません。
M&Aが成約すれば、社長が『会社を残してくれてありがとう。従業員の雇用を守ってくれてありがとう』と、涙を流して感謝してくださることもあります。そうした想いに寄り添いベストな選択を導くには、経営やM&Aの専門知識のほか、コミュニケーション能力や調整力、そして何よりも『経営者へのリスペクトや高い志・使命感』といった資質など、多様なスキルを必要とします。
当社は、経営者やその家族、従業員に喜んでいただく社会的・経済的に価値のある仕事を行い、社員1人ひとりも豊かで充実した人生を送ってもらう、すべてを高い次元で実現する『正の循環サイクル』を作り出すことに重点を置いています。そのための1つの施策が、能力に見合った給与設定なのです」
人材に関する考え方「人こそすべて」
近年、人材資本経営など、「人に投資する」という観点が注目されている。
「当社は『人こそすべて』だと考えています。給与は『投資』というよりは『評価』であり、成果に応じた給与を支払うのは当然のことです。会社として人材育成には大いに注力しており、未経験で入社した社員も中長期的に成長・活躍していけるよう、研修や教育にも多くの時間を使っています。
また、『優秀社員海外視察』制度などもあり、どんどん海外へ出向き、視野と経験を広げていってほしいと思っています。現在は、個々人の『学びたい』という要望に応えるため、学びにおける補助支援の拡充に向け、制度の見直しているところです」