世界が注目する26歳サックス奏者が、学生に語った「音楽の可能性」
今年8月、上野さんは音楽祭に臨む中学生を指導しました。演奏曲は、甲子園の応援歌でもおなじみのアフリカン・シンフォニー。
タイトルやテーマから、曲の持つ物語をイメージさせる。技術的な部分にこだわらず、体感することを教えていく上野さんの指導は、生き生きとした音楽を生み出します。
上野さんは、学生に伝えたいことについて、番組内で次のように語ります。
「一生音楽と付き合っていってほしい」
「曲の奥にもっと入り込めると、一生の宝になる。一生離れられなくなる。そういう体感をたくさんの学生にしてほしい」
人生の幸福度が変わる!? 幼少期の音楽学習の効果
ヤマハ音楽振興会および慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科・前野隆司教授が発表した調査によれば、音楽学習経験者と未経験者では、前者のほうが幸福度、生活満足度ともに高い数値を記録しています。
また、幼児期・児童期の音楽系の習い事経験者は、非経験者に比べ、多様性適応力(=多様な人材が集まるなかでも自らの個性を発揮し物事を達成する力)が高いという調査結果が出ています。
多様性適応力を構成する要素の中でも、信頼関係を構築する力、利他精神、挑戦意欲の要素が、顕著に高くなっているとのことです。
音楽と人間心理については、外部要因や、さまざまな考察もあるため一概には言えません。しかし、五感を使って目に見えないものを感じ取ることのできる音楽学習は、子供の豊かな感性を育み、その後の人生にも何らかの影響を及ぼすといえるでしょう。
「自分も弾きたい!」と触発される声、多数
SNSでは、上野さんの演奏する姿を見て、個性的な人柄に惹かれた、素晴らしい演奏に感化された、という声が多くあがっています。
「演奏時、さりげなくジャケットの下がタミヤTシャツでぐっときた!」
「上野さん情熱大陸でチャルダッシュ吹いてた!! かっこいい!!」
「上野耕平さん、すごいなあ。自分ももう少し続けてみようと思った。」
上野さんが“伝えたい”と語った想いは、早速、番組を通して多くの人々へ届いたように思えます。
これからも、上野さんの願い通り、多くの人々が一生モノの音楽に巡り会えると良いですね。
<TEXT/上山ヨーコ>