新幹線の自由席で“確実に”座るには?ヒントは「車両番号」にあり
新幹線の料金は乗車距離で決まるわけではない!
鉄道の運賃その他料金のほとんどは乗車距離によって決められており、無論JRでも乗車距離の長さに応じて料金も上がるという設定になっている。ところが新幹線の特急料金は、距離ではなく駅間ごとに料金が決められる「区間別料金設定」を採用している。基本的には距離に応じた料金なのだが、一律ではなく、ほかの諸条件によって違いがあるのだ。
目的地に着く速さも、特急料金に反映されている。1992年に運行が始まった東海道新幹線の「のぞみ」は東京~新大阪間を2時間半で結び、「ひかり」「こだま」よりもさらに速いことから特急料金が上乗せされていた。当時の「のぞみ」は一日2往復で全席指定と、すべてにおいて別格というイメージだった。
やがて「のぞみ」はそのスピードで人気となり、立席特急券や自由席券も発売されるようになった。好評に応じて大増発され、別格のイメージが薄まるのと呼応するかのように、上乗せ額も大幅に減額となった。新幹線には、シーズンによって特急料金を上下させるシステムも導入されている。国鉄時代に始まった料金体系である。
具体的には、通常期・閑散期・繁忙期・最繁忙期の4段階を設け、閑散期は通常期の200円引き、繁忙期は通常期の200円増し、最繁忙期は通常期の400円増しとしている。一般的に、価格が上がれば利用者は減り、価格が下がれば利用者は増える。この基本原理を利用して、売上を増やしたり、混雑を分散させたりしているのである。
指定席券を買うと振り分けられる席の違い
指定席券を購入して新幹線に乗ったとき、意外と席が空いていて乗客がポツンポツンとまばらに座っているだけのことがある。そんなとき、これだけシート数があるのに、なぜ自分はこの座席になったのだろうと、ふと疑問に感じたことはないだろうか?
新幹線の座席予約システムは、ランダムに座席を割り当てているわけではなく、とくに指定がない場合は、ある一定の法則に従って自動的に割り当てられる。そしてこの法則は、繁忙期と閑散期とで異なるなどきめ細かく設定されているというからおもしろい。
たとえば繁忙期パターンの1例は、個人客は先頭車両の、それも入り口付近ではなく中央の座席から、団体客は末尾車両の端から埋めていく。乗客が一般的に「車両の中央」を望む傾向にあることを考慮し、さらに個人客と団体客が離れるための仕組みである。また、閑散期には乗客がゆったり座れるように、均等に分散させて席を埋めていく。