新幹線の自由席で“確実に”座るには?ヒントは「車両番号」にあり
新幹線の車内販売に隠された秘密
新幹線の車内販売を見ていると、ワゴンをゆったり押して、のんびりと車内を回っているように感じる。だがのんびり見えるのは、乗客のくつろいだ雰囲気を邪魔しないようにという心配りなのだろう。
じつは、車内販売には一日の売上目標がしっかり決められており、乗務の始まりのミーティングでは、売上目標金額の確認も行なわれている。売上に関しては、スーパーやコンビニなどの小売業と変わらない厳しい世界なのである。
売上目標は、車内販売を担当する会社によってさまざまである。営業所ごと、支店ごとに金額が設定されているのはもちろんだ。乗客の数や時間帯によっても売上が大きく違ってくる。日ごと便ごとに細かく目標が設定されている会社も多い。売上が多いのは、なんといっても乗客の多い便だ。季節でいうなら、夏休み期間の7月下旬から8月の終わりにかけて、さらにはお盆、年末年始、ゴールデンウィークなどである。
指定席より自由席のほうが売れるというそのワケ
ビジネスマンの多い平日の便では、指定席よりも自由席の車両のほうが売上は多い。一見、指定席の乗客のほうが、ゆっくり腰を落ち着けて飲んだり食べたりするから車内販売の利用も多いのではないかと思いきや、自由席の乗客は短い区間の利用者が多く、一本の便で何度も入れ替わるので、乗客の延べ人数は自由席のほうが指定席よりも多くなり、結局は自由席のほうが、売上が多いのだという。
売上目標を達成した販売員には報奨金が支払われる場合もある。では、その売上目標とは、いったいどのくらいなのだろうか。残念ながら、その金額は正式には公表されていない。
しかし、あの小さなワゴンはかなり売り上げているという。たとえば山形新幹線の片道、山形~東京間は約3時間の運行だが、その際ひとりの販売員による売上の平均は、7万~8万円といわれている。なかには片道で約30万円を売り上げるスゴ腕販売員もいるというから驚きである。
販売員たちは、乗客の笑顔を励みにして、売上目標を達成すべく努力しているのだ。そんな事情を知ると、今度新幹線に乗ったら、車内販売でたくさん買い物をしてしまいそうである。