推定年収518万円の「電車運転士」。新幹線と在来線でいくら違うか
秒刻みの業務になくてはならないモノ
現代の新幹線の運転士の鞄はスマートな薄型タイプなので、国鉄時代ほど大量の物は入っていそうにない。JR東日本とJR東海に尋ねてみたのだが、保安管理上の理由で、中身すべてについての回答は得られなかった。だが、「運転に関する規定類」「運転マニュアル」「時刻表」は入っているそうだ。
こうした持ち物の中で、運転士仕様につくられたものもある。そのひとつが時刻表だ。運転士が携帯する時刻表は我々一般人のものと違い、15秒刻みで記されている。我々にはうかがい知れないところでの緻密な努力があって、日本の新幹線の運行が守られていることがわかる。
鞄の中身ではないが、秒刻みの業務をこなすために、なくてはならないのが時計である。運転士が業務中に身につけているのは会社から支給された時計で、個人の私物ではない。鉄道の現場では、古くから懐中時計が使われるのが常だった。会社によっては今でも懐中時計を使用しているという。
<TEXT/レイルウェイ研究会>