推定年収518万円の「電車運転士」。新幹線と在来線でいくら違うか
車内販売員のユニフォームどこまでが支給品?
車内販売員のスタッフは、JR各社と契約している車内販売会社の社員かまたはアルバイトだ。服装などについて厳しい規定があり、基本的には社員もアルバイトも同じユニフォームスタイルである。この制服は、どこまでが社からの支給品で、どれを自分で調達しなければならないのだろうか。
これは社によって異なるようだが、最低でも制服一式と領収書などを入れて持ち歩く業務用バッグは、どこの社も貸与しているようだ。飲食物を中心に扱うスタッフに求められるのは、何より清潔感である。女性スタッフの場合、ロングヘアを丸めて「お団子」をつくるが、それにかぶせるネットまで支給する会社もある。制帽がある会社では、帽子は制服一式に含まれて貸与されている。
靴とストッキングやタイツは、最初だけ支給、あとは自前で補う、あるいは最初から支給しないというどちらかだが、たとえ自分で買うにしても色やデザインはあくまで清潔感が前提である。スタッフは、車内の通路を歩くだけでなく、始発駅や終着駅でホームや構内を歩くことになる。
JR西日本エリアをカバーしている会社では、寒さに備える冬用コートも制服一式の中に含まれているという。制服や防寒具の支給・貸与は想像がつくが、髪をまとめるネットまで貸与となるとは驚きだ。だがこれも、各社が車内販売を、乗客から注目される仕事だと位置づけている表れにほかならない。
運転士の鞄の中には何が入っているの?
かつての国鉄時代には、抜きうちで運転士の持ち物検査が行なわれ、鞄かばんの中身を調べられたという。現代の新幹線の運転士も、黒い鞄を決して手離さずにいつも抱えているが、あの中には何が入っているのだろうか。そういわれてみれば、たしかに気になる……。
まずは、国鉄の在来線の運転士たちが持ち歩くように定められていた品を挙げてみよう。奥西次男氏の『運転士(裏)運転手帳』によると、まず挙げられるのは、「運転取扱心得」「運転取扱細則」「電車乗務員作業基準」「運転内規」「故障応急処置基準」「故障処置基準」の小冊子で、これらはいわば規則集、マニュアル本である。
さらに、「運行ダイヤ」と、故障修理の要員を手配するための用紙である「電車故障通告券」「携帯電灯」も必ず鞄に入れておかなくてはならない。そればかりではない。列車が故障した場合に備え、「ペンチ」「自在スパナ」「ドライバー」「ナイフ」「麻縄」「白墨」「赤色旗」「軌道短絡器(信号を赤にするときに使う)」まで入れていたという。
かなりの重量になるが、いつ持ち物検査があるかわからないので、運転士たちはすべてを鞄に入れて持ち歩いていたようだ。