部下が生まれ変わる「1対1の関係」のコツ。知っておきたい4つのポイント
活性支援:大きく分けて二つの要素が
【活性支援】
「活性支援」には、大きく分けて二つの要素があります。一つめは、部下の心を前向きにして、明日への活力を与えること。そして二つめは、部下が抱えるもやもやを解消して、ネガティブな要因を排除する手伝いをしてあげることです。
モチベーションが下がっていたり、ゴールが見えなかったりすると、部下の前に進む気力が失われがちです。そういったとき、上司は「1on1ミーティング」を活用するといいでしょう。部下の中長期的なキャリアの達成に、今の仕事がどう関わっているのか、改めて意味づけしてあげるのです。
また部下は、このままの状態で果たして目指すゴールにたどり着けるのかわからない、もしくは、今の自分が何をやったら理想の状態に近づけるのかわからない、という場合にやもやした状態に陥ります。
上司は、客観的に見た部下の現状と理想の状態のギャップを示し、今はどの部分が足りないか、そして、それを身につけるためにはどうしたらいいかを「1on1ミーティング」で示してあげましょう。具体的なアクションプランにまで落とし込み、サポートできることを伝えることで「活力支援」になるのです。
ポイントを満たすと部下の行動が変化する
ここまでで説明した「発話促進」「安心感醸成」「共感」「活性支援」の4つのポイントを満たした「1on1ミーティング」ができるようになると、上司と部下との間に、心理的安全性が構築されます。
上司と部下の間に心理的安全性が生まれると、どのような変化が起きてくるでしょうか。私たちがコンサルティングをしている企業でよく聞かれるのが、「部下の行動が変わった」ということです。「1on1ミーティング」を行っても、多くの場合、部下はうわべだけで「わかりました」「その通りですね」「おっしゃるようにやってみます」などと答えます。
これを聞いた上司は、「わかりました」と言ってくれているから理解してくれたんだろう、今日の「1on1ミーティング」はうまくいった、などとぬか喜びします。それで次の「1on1ミーティング」で、「この間、これをやるって言っていたけど、どうなった?」と聞くと、「あ、やろうと思ったんですけど……」「すみません、ちょっと時間がなくて、できませんでした」などという答えが返ってきます。
こうした答えが返ってくるのは、部下は課題に対して、納得も理解もしていなかったということなのです。