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部下を叱れない上司が増えている?職場がギクシャクする深いワケ

学び

部下に気を使いすぎて信頼が築けない

人事

 部下は、上司に自分の価値観を理解でしてもらえないとわかると、次第に心を閉ざします。一方で上司は、そんな部下のご機嫌を取ろうと気を使いすぎるようになります。たとえば、頼むべき仕事があっても、「○○さん、今、忙しいかな。急ぎでやってほしいことがあるんだけど……」

 このように部下の都合を聞きながら、下手に出てお願いするようになります。そして、部下に気を使いすぎて仕事を頼めない上司は、「自分でやったほうが早いから」と自分の仕事を増やして、ますます自分を忙しくしてしまうのです。

 こうしてうわべだけで気を使い、あたりさわりがないコミュニケーションしかしないと、決して部下との間に信頼関係を築くことはできません。

会社でのあり方は、価値感で異なる

 上司が気を使いすぎて的確な業務の指導ができない場合、部下の成長は阻害されます。また、上司を信頼できない部下は、何を言われても聞く耳を持たなくなり、自分勝手な考えで行動するようになります。そうしてチームの成果が上がらないという、負のスパイラルにハマっている会社が、思った以上に多いのです。

 ただ、基本的に、世代の違いだけでなく、部下一人ひとりはそれぞれ個性があり、価値観も異なります。これはとても大事なことなので、しっかりと心に刻んでください。その人の価値観によって、会社でどうありたいかはそれぞれ違ってくるものです。

 上司は個々人が持つ価値観にもとづき、目指す姿に近づく応援をする。そんな意識を持つことで、部下は「上司が理解してくれている」と感じ、はじめてしっかりとした信頼関係を築くことができるのです

<TEXT/EDGE株式会社代表取締役 佐原資寛>

EDGE株式会社 代表取締役 チーフエヴァンジェリスト。1986年生まれ、京都府宇治市出身、横浜国立大学工学部卒。2008年大学在学中よりHRテクノロジー「エアリー」事業に参画。HRテクノロジーとコンサルティングを組み合わせた人事課題解決の支援実績は200社を超える2017年4月より現職

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