部下を叱れない上司が増えている?職場がギクシャクする深いワケ
部下に気を使いすぎて信頼が築けない
部下は、上司に自分の価値観を理解でしてもらえないとわかると、次第に心を閉ざします。一方で上司は、そんな部下のご機嫌を取ろうと気を使いすぎるようになります。たとえば、頼むべき仕事があっても、「○○さん、今、忙しいかな。急ぎでやってほしいことがあるんだけど……」
このように部下の都合を聞きながら、下手に出てお願いするようになります。そして、部下に気を使いすぎて仕事を頼めない上司は、「自分でやったほうが早いから」と自分の仕事を増やして、ますます自分を忙しくしてしまうのです。
こうしてうわべだけで気を使い、あたりさわりがないコミュニケーションしかしないと、決して部下との間に信頼関係を築くことはできません。
会社でのあり方は、価値感で異なる
上司が気を使いすぎて的確な業務の指導ができない場合、部下の成長は阻害されます。また、上司を信頼できない部下は、何を言われても聞く耳を持たなくなり、自分勝手な考えで行動するようになります。そうしてチームの成果が上がらないという、負のスパイラルにハマっている会社が、思った以上に多いのです。
ただ、基本的に、世代の違いだけでなく、部下一人ひとりはそれぞれ個性があり、価値観も異なります。これはとても大事なことなので、しっかりと心に刻んでください。その人の価値観によって、会社でどうありたいかはそれぞれ違ってくるものです。
上司は個々人が持つ価値観にもとづき、目指す姿に近づく応援をする。そんな意識を持つことで、部下は「上司が理解してくれている」と感じ、はじめてしっかりとした信頼関係を築くことができるのです。
<TEXT/EDGE株式会社代表取締役 佐原資寛>