うなぎと梅干しの食べ合わせは本当にNG?噂の真偽を管理栄養士が解明
2022年は早々に梅雨が明け、普通に生活するだけでも気が滅入るような酷暑が到来している。暑さを乗り切るため、夏ならではの食べ物を口にして英気を養いたいところだ。
しかし、夏グルメの代表的な食材には「食べ合わせNG」があると耳にしたことがある。「1+1」がマイナスになってしまっては元も子もない。今回は、巷で噂される避けるべき食べ合わせについての真偽を株式会社健康支援BonAppetitを運営する管理栄養士・植村瑠美さんに聞いた。
うなぎ×梅干しの相性はそれほど悪くない
夏のグルメといえば、「土用の丑の日」に食べる習慣が根付いている「うなぎ」だろう。実は「梅干し」との食べ合わせが悪く、消化不良を起こす……という説がある。うなぎは味だけでなく栄養価も高いイメージがあり、梅干しも健康に悪いとはあまり思えない。植村さんにそれぞれどのような栄養価があるのか教えてもらった。
「うなぎは、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンD、ビタミンEや、亜鉛などを多く含みます。また、青魚ほどではありませんが、うなぎの脂にも不飽和脂肪酸であるDHA、EPAが含まれます。疲労回復や美容に良いとされる食材です。梅干しは、クエン酸と塩分を多く含みます。クエン酸は疲労回復効果の他に、殺菌効果や胃液の分泌を促すことによる消化促進効果が期待できます」
では、肝心の食べ合わせによる栄養的な問題はあるのか。結論としては「栄養学的な問題は全くない」と植村さんは断言する。
肝心の味の相性は微妙…?
さらに、問題はないどころか、むしろ相性の良さゆえに「食べ合わせNG」の風説が生まれた可能性さえあるという。
「うなぎも梅干も食が進みやすい食材であり、脂の多いうなぎでも梅干と一緒に食べることで、さっぱりと食べられます。その結果、食べ過ぎにつながる可能性があるため、これを予防するために『食べ合わせNG』という風潮が生まれたとする説もありますね」
うなぎと梅干しの組み合わせに栄養的な問題はないとのことだが、実際のところこの食べ合わせは本当に美味しいのか。気になった筆者は実際にうなぎと梅干しを用意し、食べ合わせてみた。今回は、うなぎと梅干しともに鮮魚店・スーパーの高めのラインものを購入。実際にそれぞれ単体で味わい、美味しい部類に入ることを確認済みだ。