クリエイターが食べていくには?“創作を支援する”弁護士に聞いた必要条件
現代は誰もがクリエイターになれる時代だ。SNS、ブログ、動画、イラスト、マンガ……インターネットで手軽に作品を発信でき、収益を得ることが可能になった。一方で、クリエイターを仕事にしようとすると、敷居は高くなる。生活していくだけの収入を得られるのは、ごくわずかな人かもしれない。
しかしそれは「ビジネススキル」があれば解決する、というのが『クリエイター1年目のビジネススキル図鑑』(KADOKAWA)だ。ビジネスマナーから法律、税金、トラブル対応まで、おおよそクリエイターが必要な知識がギッシリ詰まっている。
1冊読むだけで、「クリエイターとして食べていけそうだ」という自信がつくに違いない。この本を書くに当たって、どんなことを伝えたかったのか、著者で、クリエイターパートナー事業を展開する「しろしinc.」CEOの山田邦明さんに聞いた。
クリエイター向けの情報がSNSで反響
――本の内容は、どのように決めたのですか?
山田邦明(以下、山田):僕はコンサルタントとして、1000人以上のクリエイターさんとオンラインも含めて対面してきました。その中で「この情報は必要だな」と思うことが出てきたんです。それでインスタグラムで法律のことをまとめたり、知っておいたほうがトラブルの減ることとか、炎上のときにどうするといったことを発信したんです。
そうしたらすごい反響があって、クリエイターさんから感謝の声もきたし、フォロワーも増えていきました。やはり必要な情報なんだと実感したんです。だから本を書く前に、伝えたほうがいいことは頭の中に全部あったんですね。インスタだけだと限界があったので、体系立ててやろうと思って出版したんです。
救えたかもしれない命をどうにかしたい
――クリエイターを応援したい! と思ったのはなぜでしょう?
山田:自分が辛かったときにマンガに助けてもらったのが背景としてあります。弁護士になったあとアカツキというエンタメの会社に入り、多くのクリエイターさんと実際に接するようになりました。一番に気付いたのが「ビジネススキルがないために作品が消えていっている」ことです。
契約をしっかり結べていたら生まれていたマンガもあると思いますし、チーム体制がうまく作れていたら、生まれていた音楽もあったはずです。
炎上や誹謗中傷で苦しんで亡くなってしまったかたもいますが、専門家が隣にいれば命を救えたかもしれない。そういうことをどうにかしたい。自分がクリエイターの作品に救われてきたから、作品を作る人たちに、ちゃんと楽しく生きていて欲しいと思っているんです。