bizSPA!フレッシュ

拡大するセリア、伸び悩むキャンドゥ。「100円ショップ」業界はどうなるか

ビジネス

キャンドゥ:「委託店」形式の店舗も

キャンドゥ

©Nagahisa_Design

 株式会社キャンドゥもセリア同様、100円ショップの単一セグメントで成り立っています。設立は1993年で店舗数ではダイソー、セリアに続き業界3位の規模を誇ります。2023/2期第1四半期(当期より11月期末決算から2月末決算に変更)時点での店舗数は合計1197店舗であり、その内訳は直営785店舗、FC405店舗、海外FC7店舗です。

 ちなみに直営店にはキャンドゥが販売手数料を支払って商品棚を導入してもらい、導入店舗は主にレジ業務のみを担う「委託店」形式の店舗も含まれます。2018年11期から2021年11期までの業績は以下の通りです。

【キャンドゥの業績(2018年11期~2021年11期)】
売上高:707億円→713億円→730億円→731億円
営業利益:18.5億円→11.9億円→15.6億円→9.6億円
最終利益:8.0億円→3.3億円→4.4億円→1.9億円
店舗数:1008店舗→1050店舗→1065店舗→1180店舗

テナント先の休業で伸びが鈍化…

 近年は店舗数が拡大しながらも売上高は少ししか伸びていません。2019/11期は不採算店を畳んで駅ビルなどへの出店を進めたものの、米中貿易摩擦などによる経済の冷え込みなどで伸びは鈍化したようです。利益面では直営既存店の売上高減少やシステム再構築関連費用が影響し、減益となっています。

 2020/11期はコロナの影響で衛生用品が売れた一方、巣ごもり需要に支えられた日用品・必需品にも力を入れ、増収となりました。そのうえで出店計画の遅れが増益に貢献しています。翌2021/11期も衛生・生活必需品の売れ行きが好調でしたが、緊急事態宣言等でテナント先の商業施設が閉店・時短営業が相次ぎ、直営既存店売上高は減少しました。

 そのため店舗数は増えつつも全社売上高は微増にとどまっています。増収分がない中で店舗数は増えたため、家賃地代が圧迫し、営業・最終利益は減少しました。以上のように近年は店舗数が拡大しつつもテナント先の影響で既存店売上高が伸びず、全社売上高が伸び悩んだ構図です

おすすめ記事