社会に失望、現状にイライラ…悩みに「苦しまない方法」を身につけるコツ
若者にとっては“タイパ”がより上がる変化に?
U-24世代の若者たちは「自分の好きなことで生きていく」「自分の時間を大切にする」という意識が強いことも、変化を受け入れるうえで大きい素養のようだ。
「動画の倍速視聴やまとめサイトなどを活用してタイムパフォーマンス(タイパ)の高さを意識する特徴もあり、通勤しなくても済んだり、面倒な飲み会に誘われなくなるようなことによって、タイパがより上がる変化を友好的に受け入れられた人も多いのでしょう。
さらに、ダイバーシティについての教育を受けているので、多様性を受け入れることに抵抗が少ないのも特徴です。常識とは異なる社会のムーブメントが起きても、それに強い拒否を示すのではなく、必要なら受け入れていくという姿勢が備わっています。これらの理由によって、若者たちはコロナ禍の変化へしなやかに順応していったと考えます」
物事を柔軟に受け入れるためのコツ
パンデミックに限らず、日本は災害大国でもあるため、いつ“望まない変化”を強いられてもおかしくない。とはいえ、変わらないほうが楽だからと、どうしても現状に胡坐(あぐら)をかきたくなってしまうのが本音。後ろ向きのメンタルを打破するためには、どんな対策があるのか。井上氏には、3つの対策を教えてくれた。
まず、「MUST思考」から「WANT思考」に転換することだという。聞きなれない単語だが、どういう意味なのだろう。
「何事に対しても『こうしなければならない(MUST)』と思い込んでいる人は、変化を受け入れることに強い抵抗を感じます。それを『こうだったらいいのになぁ(WANT)』という願望に変えてみましょう。もちろん願望なので叶わないこともあります。その『叶わないこともある』という認識があることよって心の準備ができているので、思い通りにいかずに変化を余儀なくされても傷つきにくくなります」