「バレずに副業」は危険かも。本業との“両立のコツ”を専門家に聞く
副業が成功したら本業を辞めてもいい?
もし、副業がとんとん拍子で成功し、ある程度に稼げるようになったら本業を辞めてもいいだろうか。
「辞めるかどうかは人それぞれ、本業に対する姿勢や価値観によります。自分が何を大切にしたいのか、どんな将来を描きたいのかをよく考えた上で判断すべきでしょう。ただ、本業以上に稼げるようになっても、万が一うまくいかなかった場合に備えて、1~2年生活できるだけの貯蓄は必要だと考えます。
会社員も以前ほどは安定した収入が保証されているわけではありませんが、副業をメインに据えフリーランスになるということは、当然会社員よりもリスクが高くなります。会社が払ってくれていた健康保険や年金なども全額自分で負担するわけですから。特にご家族がいる場合には十分に資金計画を立てて、ワーストケースも踏まえた上で慎重に判断すべきです」
「節約副業」のススメ
もし「会社で副業が禁止されている」「会社で副業をすることは許されているが、不安が大きい」などで躊躇してしまう人に対しても、おすすめの手法があるそうだ。
「ちょっと視点を変えた『節約副業』という方法をご紹介します。収入を増やすのではなく、支出を減らすことで実質的に使えるお金を増やす方法です。例えば私は東京に住んでいますが、宇都宮に行く予定があるとしましょう。新幹線を使った場合は約50分、運賃は約5000円です。一方で在来線を使った場合は約1時間50分、運賃は約2000円です。在来線は1時間多く時間がかかってしまいますが、3000円出費が抑えられます。
往復だと約2時間で6000円です。何もやらなくても時給3000円の副業となるのです。私は在来線コースを選んで、その約2時間の間に本を読んだり、新しいことを考える時間に使ったりしています。お金が足りないという方は、副業で収入を増やす前に支出を減らすことを考えてみてください。これなら会社にバレても大丈夫などころか、周りの人に教えてあげると喜ばれると思いますよ」
副業を始めたいものの、メリットとデメリットを天秤にかけて足踏みしている人は、大村氏の知見を活かしてみたらよいかもしれない。
<取材・文/一ノ瀬聡子>
【大村信夫】
家電メーカーに勤務しながら「片付けパパ」「パラレルキャリア研究家」として活動。モノを整理することで人間関係やキャリアなど人生全体に好循環が生まれるメソッドを開発し、講演で日本全国を東奔西走。受講者1万人超にも及ぶ。著書・メディア取材多数。公式サイト「パラレルキャリア研究家 大村 信夫」も更新中
Twitter:@katazuke88