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「心を病む人のサイン」は睡眠にアリ。“70日祝日なし”の今の時期は要注意

暮らし

ストレス解消法のおすすめは?

 心の不調が長引くと、公私ともに大きな影響が出るだろう。それを回避するため、日々心がけることを「マインド」と「行動」の両面で聞いた。

「ストレスを感じる状況でも、『何かプラスの面はないか?』と探すマインドは大事です。仕事の量が多くて負担感が強ければ、“成長できていること”に目を向けたり、楽しいと思える要素を探す。職場にいじわるな人がいるストレスがあるなら『話のネタにしよう』と笑い話にして昇華させるなど、何でも良いのでプラスなことにつなげる心がけをすると良いですね」

 もちろん、いじめやパワハラであれば心がけではなく、社内のしかるべき部署への通報や法的措置の検討なども必要になる。「行動」として、心の不調を遠ざける方法はあるのだろうか。

「行動としては、まずは十分な睡眠時間を確保し、できるだけ寝る時間と起きる時間を毎日一定にすること。運動も週に3~4日、翌日に疲れを残さない程度に楽しく体を動かす習慣が重要です

NG行為は諸説あるが…

友人

 また、コロナ禍でコミュニケーションの機会が減った昨今だが、永野医師は人との繋がりも重要だと話す。

気を遣い過ぎたり傷つけられたりすることなく、親密な空気を共有できる人との時間を持てると非常に良いですね。趣味でも仕事でも、自分がやりたいと思える活動をやることが心にとっては良いことですが、睡眠や運動やコミュニケーションの時間を削り過ぎないよう調整することが大切です。今より少しでもこういった行動を増やそうとすることが重要です」

 逆に、多くの人が陥りがちな、ストレス解消法におけるNG行為についても聞いた。

「NGはお酒ですね。以前は『適度な飲酒は健康に良い』と言われていましたが、最近の研究では、少量の飲酒でも体に悪影響を与えるという報告も出ています。お酒が好きな方には大変かもしれませんが、お酒抜きでも楽しく過ごすというのが理想的です。飲酒の習慣は体への悪影響もありますが、うつ病などの発症率も高め逆効果になることもあります。世の中に溢れている色々なことに目を向けて、お酒以外の趣味を見つけられるといいですね」

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 永野医師自身は、今回紹介したストレス解消法の他に「瞑想」も実践しているという。就寝前の数分間、あぐらをかいて呼吸の数を数える方法だそうだ。5連勤が続くこの期間、心の不調の足音が聞こえたら、スマホの電源をオフにして、自らと静かに向き合ってみるのもよさそうだ。

<取材・文/Mr.tsubaking 編集/ヤナカリュウイチ(@ia_tqw)>

【永野泰寛】
日本医師会認定産業医。医療法人社団こころみ所属。筑波大学医学部卒。亀田総合病院にて臨床研修、昭和大学精神医学講座に所属し昭和大学附属烏山病院、佐鳴湖病院、べスリクリニックに勤務。東京TMSクリニック前院長。令和4年4月より現職。医学部入学前は、東京大学大学院数理科学研究科卒後、証券会社や外資系コンサルティング会社での企業勤務経験がある

Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も
Twitter:@Mr_tsubaking

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