24時間YouTube配信する「デカ盛り1kg弁当店」に聞く、“迷惑客”騒動のその後
「謝罪を受け入れない」対応にはポリシーが
――キッチンDIVEは、昨年にも泥酔客に従業員がお金を投げつけられるという迷惑行為に遭っています。この時も、謝罪を受け入れないという毅然とした対応を取られていますが、判断する際のポリシーがあるのでしょうか?
伊藤:この方も、翌日に謝罪に来ていたら許していたと思います。ただ、彼が謝罪に来たのは、1週間以上経ってSNSやテレビなどで大きく話題になってからなんですよ。世間に迷惑客として顔が広まって、自分の日常生活に支障をきたすようになったので謝罪に来たということですよね。
自分のした行為を謝るなら、遅くとも翌日には来るべきですよね。さらに、こちらが相手の職業を調べたうえで話した時にも、虚偽の申告をしたこともあって、謝罪は受け入れられませんでした。
――やってしまった事自体は仕方ないけれども、それ自体をすぐに反省できるかということですね。
伊藤:そうですね。逆に、先ほど申したようにAは、その日のうちにお母様とともに謝罪に来て、その後も誠実に対応していただきました。みなさんお酒の失敗なんていくらでもありますよね。もちろん私にもあります。ただ、警察を呼ぶような事態になることなんてまずないですし、少なくとも「迷惑をかけた相手に挨拶くらい行くのが常識だよね」って思います。
なぜ動画配信を始めたのか
――どちらの事件でも、店内をYouTubeでライブ配信している動画が証拠となりました。配信を始めたきっかけは防犯のためだったんですか?
伊藤:いえ、最初はお客様が在庫確認できるようにと思って始めたんですよ。リアルタイムの店内の映像を見て「あ、焼きそばがまだある。買いに行こう」と思っていただけるように。
――別の意図で始めたライブ配信ですが、結果的には防犯にも役立っていますか?
伊藤:そうですね。検知できるだけでも以前は1日に3〜4件の万引きがありました。それが、ライブ配信を始めてからは月に2〜3件になっています。今回のAの件に関しても、Aの友人が暴れるAを制止する時に「YouTubeで晒されるからやめとけって」と言っています。
抑止だけでなく、何か起きた時の映像証拠に使えるということも、いざという時になって初めてわかりました。事後にもスタッフやお店を守る助けになってくれます。なお、今回はAにもオリジン弁当にもSNSに事実関係を投稿する旨は伝えてあります。